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危険を防止できるヘルメットより、かっこいい毛糸の帽子を選ぶ。時には浮世絵を染めた手ぬぐい、バンダナを頭に巻くこともある。アルペンスキーの五輪代表の有力候補・佐々木明(20=日体大)は、独自のスタイルにこだわる。「アルペンの選手っぽいのはあまり好きじゃない。ヘルメットって堅い感じがしませんか?」。海外遠征時には30個以上の毛糸の帽子などを持参、ヘルメットの代わりに頭を覆っている。
「ヘルメットだと、音が聞こえない。平衡感覚がなくなるような気がする」。北海道・大野町で3歳から始めたが、競技スキーへの興味はなかった。大自然のふもとでのびのびと、中学3年まではもっぱら「遊び」だけ。競技用のヘルメットはかぶったこともなかった。「風を切る音を聞きながら、気分的に冬を感じて滑りたい。昔から、そうだったから」。アルペン一筋ではなく、今でも、障害物競走とも呼ばれるスキークロスにも出場している。
初出場した昨年2月の世界選手権の回転で19位に入った。世界ジュニア選手権を終え、レース前夜遅くに宿舎にたどり着く強行軍にも負けなかった。日本では皆川賢太郎(エオス)木村公宣(ロシニョールジャパン)に続く存在。全日本スキー連盟の古川年正アルペン部長から「心臓に毛がはえている」と評価される、06年トリノ五輪のエース候補だ。
五輪後に、オーストリア・インスブルックに留学することを決めている。2年間、家賃6万円のアパートで1人暮らしをしながら、スキーに取り組む。経費は自腹。「五輪の成績次第では大きいスポンサーが付くのかな?」とおどけた。五輪代表は明日15日にも発表される。「出ることに価値は感じないですね。10番以内じゃないと意味ないですよ」。あどけなさが残る童顔には似合わない、強気な言葉が出てきた。【桐越聡】
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