|
「世界のトップにも技術と体力では負けていない」。スピードスケート男子短距離の武田豊樹(28=SHI)は、こう自己分析する。昨年12月のW杯カルガリー大会500メートルで今季世界最高、歴代世界3位の34秒62で初優勝し、金メダル候補に躍り出た。自転車のトラック競技で培った技術と体力を開花させつつある。
スピードスケートと自転車は、使う筋肉が似ているという。冬季五輪に4度出場した橋本聖子(現参議院議員)は、夏季大会に自転車で3度出場した。88年カルガリー五輪1000メートル金メダルのクリスタ・ローテンブルガー・ルディング(当時東ドイツ)は、同年のソウル五輪自転車で銀メダルを獲得した。トップスケーターは自転車の実力も高い。
ほとんどの選手が自転車を練習に取り入れる。中でも競輪学校の受験経験があり、99年全日本実業団で優勝した武田は競技者のレベル。オフには清水宏保(27=NEC)とともに取手競輪場で十文字貴信らと練習してきた。
自転車には2つのメリットがある。1つは高速でペダルを回転させることで、足を速く動かすための筋力が養われること。高校総体優勝などもともと才能のあった武田だが、高速化の中、スケート復帰4年目で34秒62を記録できた要因にもなった。もう1つはもちろん持久力アップだ。
武田の強さは、100メートル通過からのラスト1周にある。34秒62をマークした時は、ほかの選手よりも0秒1速い25秒03だった。スタートも悪くないが、トップスピードを持続する技術と、清水も認めるほどの体力がある。
13日までのW杯ヘーレンフェイン大会は表彰台を逃したが「練習の一環。目標はここじゃないので」と気にしていない。五輪では、ロケットスタートの清水に対して、持続力で挑む。【嶽岡晃樹】
|