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スピードスケート会場で、そのオレンジ色のフリースを見かけない時はない。富士急スケート部の広報担当・川瀬真由美さん(31)だ。「学生の時にカナダに留学して、そのホームステイ先の家族に暖色系が似合うって言われたから…」とはにかむように笑う。岡崎朋美、三宮恵利子、田畑真紀らの五輪代表を抱える同部で、選手に対する取材などのスケジュールをアレンジするのが川瀬さんの主な仕事だ。
対外広報の仕事を始めたのは、長野五輪の直前からだった。立命大在学中、学生スポーツ新聞のスタッフとしてアイスホッケーを担当した以外、スポーツとの接点はなかった。
スピードスケートへの知識も乏しく、失敗も多かった。「選手が試合後にクールダウンするっていうことが、どういうことか分からなかったんです。ダウン? 何それって感じです。だから、試合後すぐに取材を入れたりして、選手や監督に迷惑をかけました」。だが、ミスの中から広報にとって何が大切かを学んだ。それは「選手が主役」という、当たり前のことだった。
長野五輪500メートルで銅メダル獲得後、故障もあって低迷した岡崎への取材を、自らの判断で制限したことがある。低迷の原因を探ろうと追いすがる記者を制し、取材を途中で打ち切った。自ら進んで選手の風よけになり、悪者になった。選手の心と体のコンディションを正確に把握して取材申請に対応し、スケジュールを調整する。選手を一番に考えるから、化粧も控えめで極力目立つことを控えている。
三宮、田畑らとは同期入社。選手と広報担当という関係を超えて、仲のいい友達同士だという。もちろん、2人のことを一番理解しているのも川瀬さんだ。「選手に関するいい記事や放送を見ると、自分のことのようにうれしくなるんです」。
ソルトレークシティーでも、オレンジ色のフリース姿で選手を見守り、メダルへの挑戦を陰で支える。【吉松忠弘】
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