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五輪評論家
伊藤 公

甘くみて金1、銀2、銅2

 日本でただ1人、五輪評論家を名乗っている。伊藤公(いさお)さん(66)は、55歳の時に希望退職して独立。周囲の仲間から「スポーツ評論家やライターならいっぱいいる。いっそのこと五輪評論家にしたらどうだ」と言われ、そのまま定着した。これまで、五輪関連書の監修や共著は約50冊。いわば日本の五輪博士として、各マスコミからコメントを求められる立場でもある。

 自らのスポーツ経験はほとんどない。出版社を退社後、フリーだった時に東京五輪の報告書を作ったことがきっかけで、日本体育協会に入った。25年間の勤務中、国際課長時代に札幌、名古屋両五輪誘致失敗、モスクワ五輪ボイコットなどを現場レベルで経験。「暗い思い出ばかり」と言うが「この経験があったから、五輪にのめり込んでいった」とライフワークとの付き合いを振り返る。

 現在の五輪に対する視線は、厳しい。「スポーツの普及はいいが、ショーアップのための種目が多い。五輪を肥大化させたのは、サマランチ(前IOC会長)の罪。日本のテレビ局が番組を作るために、五輪に芸能人を送り込むのもどうかな。着眼点が違うと思う」。早い時期に五輪のアフリカ開催という持論もある。これなら、肥大化した五輪を縮小できるのではないかとみるからだ。

 ソルトレークシティー五輪における日本選手団の成績予想についても、やや辛口。「甘くみて金1銀2銅2。厳しくみれば1個ずつ。選手や役員に失礼だが、そんな甘いもんじゃない。金メダルなしもありえますね」。発言とは別に、日本選手が活躍しそうな競技を中心に観戦したいという。「もちろん、本当はもっとメダルを取って欲しいんですよ」。独自の視点で見る五輪。2月6日に現地に向かう予定だ。【佐々木一郎】

(おわり)

◆伊藤公(いとう・いさお)1935年(昭和10年)7月3日、宮城県生まれ。明大文学部卒。ぎょうせいなど出版社を経て、66年に日本体育協会入り。91年に退職し、フリーライターに。現在は、執筆活動やテレビ出演などを続けている。家族は美智子夫人(61)長男哲也さん(32)。

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