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原田雅彦(33=雪印)の長野五輪後は、ジャンプ界の常識との闘いだった。98年からの3シーズン、W杯は未勝利に終わった。各国のナショナルチーム約150人の中で、33歳は最年長。限界説がささやかれながらも、現役にこだわってきた。
ジャンパーの絶頂期は、20歳代前半というのが定説だ。過去10年のW杯総合優勝者で25歳以上だったのは、93年シーズンのブレーデセン(当時26、ノルウェー)ただ1人。長野五輪以降のシーズンでも、W杯総合10位以内の選手の平均年齢は24〜25歳の間で推移している。
それでも、全日本の小野学統括コーチ(51)は「原田君は例外です。体力的な衰えはない。あと10年はできる」と断言する。データも裏付けている。札幌の北星学園短大では年に2度、全日本の体力測定を実施。約20種目を行っているが、原田には長野前と比較しても極端な数字の低下はない。
特にジャンプに大切な垂直跳びでは、飛びぬけた数値をマークしている。97年秋から昨春までの8回すべてで70センチ以上を維持。各種目の結果を分かりやすいよう偏差値化しているが「昨年春などは、80センチを超えた。偏差値では72。学力で言えば東大レベルです」と、同短大の佐々木敏教授(52)は話す。
選手の胴体部分に加速度計をつけ、画像解析した今秋の実験では、ジャンプ台の飛び出し部分の最大重力加速度で、原田は全日本最大の約2・5G。これは昨季W杯総合Vのマリシュ(ポーランド)並みだ。佐々木教授は「パワーを飛距離に変える能力が落ちなければ、まだまだ現役は続けられる」と指摘する。
原田の頭の中にも引退の2文字はない。「いつもいつ引退ですかと聞かれる。面倒だからこう答えることにしたんです。もう引退しませんと」。ソルトレークシティー五輪も通過点。40歳を超えてなお飛び続ける、世界でも類を見ない長寿ジャンパーになる。【小林明央】
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