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スキー・ジャンプの原田雅彦(33=雪印)は、本気で五輪の個人金メダルを狙っている。98年シーズンからW杯で勝てなくなった。個人総合も年々順位を落としている。「原田の時代は終わった」。そんな周囲の声には耳を貸さない。「自分からジャンプを取ったら何も残らない。そのジャンプでどうすれば評価されるのか。それはやっぱり、五輪」。原田は長野の翌シーズンから、ソルトレークシティー五輪を見据えて活動を始めていた。
3年間かけ、ジャンプに微調整を加えた。「それまで真上だった飛び出しを、やや斜め前方にした。野球でいうと打率の高い飛び方です」という。原田といえば大ジャンプと失敗ジャンプの両極端。そのため99年には、6シーズンぶりにスキー板のメーカーを変えた。スイートスポットが広めの硬い板。点から線のジャンプへの方向転換だった。
99年シーズンから全日本に下ったダイエット指令は、無視した。極端に食事量を減らしたことで、拒食症に近い症状を見せた選手もいる。多くは筋力が落ちたことで飛距離も落ちた。ダイエットは日本勢の不振の遠因でもあった。しかし、原田だけは、食べたいものを食べた。
25年のジャンプ歴から培われた経験がある。自分に不要なことは取り入れない頑固さがある半面、必要なことはがむしゃらだった。今春、全日本の方針がダイエットから筋力アップに変わると「あんなに筋トレに励む雅彦は見たことがない」と雪印の田尾克史監督(38)が言うほど体をいじめた。
不変と変化。取捨選択を繰り返しながら迎える五輪は、今度で4回目になる。実は11月下旬からのW杯という代表選考レースを残している。しかし「(五輪は)出るものと思っている。僕にとってソルトレークは長野で実現できなかった個人金メダルのリベンジなんです」と断言する。長野の団体戦では日本全国に感動を与えた。記憶には残った。次は記録を残す。【小林明央】 |