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フリースタイルスキー・モーグルの里谷多英(25=フジテレビ)は、3度目の五輪へマイペースを貫いている。長野の女王として連続メダルの期待も、重圧もかかる。しかし、気にしてはいない。「周囲はそういうのを期待してるんでしょうかねえ。私はプレッシャーって感じてないんですけど…。ニブイのかなあ」。
無理をしない。楽しく頑張る―。これが今の里谷のスタイルだ。長野五輪後、1度は引退を考えた。「自分が何をしたいのか分からなくなったんです」。周囲の期待と自分の気持ちとのギャップに苦しんだ。だが、故障をきっかけに考え方が変わった。99―00年シーズンの終盤に右足首を骨折した。「滑れないことがあんなにつらいとは思わなかった。それからはもう、滑りたくて滑りたくて仕方なかった」。スキーが好きなんだという原点に返れたことで、何が大切かということにも気が付いた。
「体がもつ間は競技を続けていたいから、自分のペースを大事にしたい」。だから調整法も変えた。
すべてが自己流だ。3月のW杯最終戦(フィンランド)後、気分転換と自主トレを兼ねて単身渡米。5〜7月には2度の全日本カナダ合宿に参加したが、その間も日本には戻らず、米国に拠点を置いた。8月のチリ合宿後も1人で米国に戻り、9月下旬までトレーニングを続けた。その後のスイス合宿は直前でキャンセルし、心身の疲労を取り除くため札幌の自宅に戻った。亡き父昌昭さんとよく練習した手稲山を走ってリフレッシュした。
セルフコントロールができている。迷いもない。好きだから滑る里谷だが、ひとつ変わらない思いがある。「長野の後の里谷は駄目、といわれるのだけは嫌ですね。ソルトレークでもメダルが取れたらうれしい」。さりげなく口にした言葉に金メダリストのプライドがにじんだ。【浅見桂子】
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