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モーグル(下)
里谷多英

連続金へエア完成

 フリースタイルスキー・モーグルの里谷多英(25=フジテレビ)が、エアに2大会連続のメダルをかける。里谷の持ち味はターンの切れとスピードで、特にスピードには強いこだわりを持つ。長野五輪で金メダルを手にできたのも、正確性と速さを両立した滑りが印象的だったからだ。

 しかし、最近は見た目にも派手なエアの出来が得点を左右する傾向が強い。女子でも男子並みのパワースキーが主流になり、昨季W杯総合王者のカーリ・トロー(27=ノルウェー)はその代表格だ。「彼女は体も170センチと大きいし、インパクトがある」。里谷もライバルの力と採点傾向の変化を認めている。

 当然、エア強化に取り組んできた。世界一の滑りに大技が加われば怖いものはない。昨季からトリプル(1つのエアで3つの技を入れること)に挑戦している。特に飛び出した瞬間、足を交互にさせてから体をひねり、さらに両足を左右に広げるダフィーツイスタースプレッド、3度体をひねるトリプルツイスターは難易度が高く、高得点が期待できる。完成度が低いまま迎えた昨季W杯はスタートから11、27、15位。1月の世界選手権でも10位に沈んだ。一時はトローのビデオを見て研究するほど苦しんだ。しかし、緊張感のある国際大会で挑戦を続けたことで、完成度は上がっている。

 今年も春から夏の全日本遠征、個人トレーニングでもエアに重点を置いた。スティーブ・ファーレン全日本コーチは断言する。「かなりよくなっている。エアが完ぺきに決まれば、メダルは取れる」。昨季W杯種目別ランキングは11位だが、これはスケールアップするための代償だった。「いい滑りを見せますよ。ターンと速さでは(トローに)負けていないんだから」。シーズンインを前に、里谷には再び世界の頂点が見え始めているのかもしれない。【浅見桂子】

◆モーグル
コブが密集した20〜40度近くの斜面のコース(平均全長220メートル)を滑り降りる。途中2つのジャンプ台があり、ターン(滑走)とエア(空中技)スピード(滑走の速さ)の3点で争う。ポイントの割合はターン50%、エア、スピード各25%で採点される。今季W杯は12月1、2日にフランス・ティーニュで開幕し、2月の五輪までに5大会が開催される。

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