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草原に幅4センチほどのスジが、続いている。今井博幸(31=NTT東日本長野)が走った跡だ。腰には世界に1つしかない自家製トレーニング器具。「ヘビ」と呼んでいる。
長さ4メートル、重さ10キロの鉛にロープを巻きつけて製作した。98年長野五輪後のことだった。「タイヤなどを引っ張るのもいいんですが、障害物があると引っ掛かってしまう。その点“ヘビ”はよけてくれますから」。夏場、斜度20度近い坂道を駆け上る。足腰、特に太ももを鍛えるのに効果があるという。
代表チームでは最年長。ベテランと呼ばれる年になったが、向上心は全く衰えない。「まだまだ伸びると思っている」との言葉通り、30歳を過ぎて成績を上げてきた。昨季は五輪会場のソルトレークW杯15キロクラシカルで7位。世界選手権50キロフリーも12位。いずれも自己最高位だった。
長野五輪ではリレーメンバーとして、日本距離史上初の入賞(7位)を果たした。「歴史に名を残せたと思ってます。ただ個人戦は…」。開幕直前に風邪をひいて丸2日間、寝込んでしまった。それが今も、悔しい。「今思えば心に余裕がなかったのかもしれない。そこにウイルスの付け込むスキを与えた」。今季は夏場にオーストリアで3度の高地雪上合宿をこなした。ここまで故障ゼロで、W杯開幕戦(24日、フィンランド・クオピオ)に臨む。
五輪で勝負をかけるのは50キロクラシカル。「2月23日です。一番チャンスがあると思う。起伏が激しいコースで、自分の持ち味である脚力を生かした走りができる」。日本初の個人戦入賞を「ヘビパワー」で引き寄せる。 【高宮憲治】
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