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そり系競技「スケルトン」が、ソルトレークシティーで54年ぶりに正式種目に復活する。日本の第一人者・越和宏(36=ホクト産業)は、昨季のW杯総合2位に入るなど、堂々の金メダル候補。その成績のカギを握るのが、そり製作に携わる金属加工会社「ニギテック」だ。
仁儀吉寿社長(40)のほかに従業員は1人。年商約6000万円。和歌山市内の小さな町工場だが、生み出すそりには、世界一を狙える秘密が詰まっている。特徴は溶接式の外国製と異なり、100個以上のパーツに分けられる点。コース、天候や選手のコンディションによって細かく調整を変えられる。
もともとは、建築金物などの加工が専門。そりを初めて見た時、仁儀氏は「なんやねんこれ、子供の遊ぶもんと違うか?」と戸惑った。98年11月、和歌山県内の女子選手から相談を持ち掛けられ、製作に取り掛かった。越との出会いは99年末。世界トップの仲間入りを果たし、海外メーカーがそりを売ってくれなくなったことがきっかけだった。
ゼロから始めたそり作りだが、仁儀氏はすぐにのめり込んだ。「僕らが金メダルに携われるのはそうない。最近の和歌山はいい話がないし、ここらで一発やってやろうという気持ちです」。昨季、越の予算は100万円だったが、400万円以上もオーバーした。すべて仁儀氏の持ち出しだったが、金より職人としてのこだわりを優先した結果だった。
越の活躍でニギテックのそりは世界で評判になった。今では海外から「売って欲しい」という声も届く。仁儀氏は現在、英語版も含めたホームページを制作中。五輪後は、世界を相手にしたビジネスを視野に入れている。絶好の宣伝の場となるソルトレークシティー五輪が、町工場の運命を変えてしまうかもしれない。
【佐々木一郎】
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