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スロベニア出身の外国人に、日本ジャンプ陣の復活が託されている。昨季、全日本チーム初のヘッドコーチに就任したバシャ・バイツ氏(39=写真)。日本勢は99年シーズンから、W杯個人戦でわずか1勝。かつてのお家芸の面影はない。低迷打開の切り札として招かれたのが、プロコーチのバイツ氏だった。
バイツ氏は、日本の古い体質に風穴を開けた。それまで日本ジャンプ界の選手強化は、所属先によってばらばらだった。代表の選手選考も企業に左右された。そこで、バイツ氏は「全日本に参加できないということは、五輪に出場しなくてもいいと解釈する」と強権を発動。全日本チームによる一貫指導をぶち上げた。
今春の2度の合宿では、代表選手全員の参加を義務づけた。長野五輪前後には軽視されていたフィジカルトレを大幅に増やした。約10キロのベストを着けた幅跳びなど、ハードなメニューに取り組ませた。
五輪選手の選考方法も、大幅に変えた。従来は過去の実績も重視されたが、現時点での実力を最優先。今季W杯で3位以内など3つの基準を設けて明確化し、企業の影響力の排除に踏み切った。急激な変化に内外から批判が出たが「責任は自分が取る」と押し切った。
全日本とかかわるようになって来年で9年目。日本でのスポーツと企業の微妙な関係も分かっている。それでもバイツ流を貫くのは「このままでは、日本が弱くなる」との強い危機感を持っているからだ。
その考え方は理解され、浸透してきた。選手からの信頼は揺るぎない。船木和喜(26=フィット)は「バイツがいなければ、今の僕はない」とまで言いきる。1人の外国人が持ち込んだ新風は、日本勢の飛距離を伸ばす「向かい風」になるはずだ。【小林明央】
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