ソルトレーク2002 nikkansports.com index

Sports top
メーン 大会日程 全種目紹介 五輪情報 五輪連載 長野五輪



ドーピング事情

「ぜんそく」がキーワード

 ソルトレークシティー五輪では、史上最も厳しいドーピング(禁止薬物使用)検査が実施される。すでに五輪組織委員会(SLOC)は、五輪参加選手全員に対する事前の抜き打ち検査の実施を決めた。大会前までに全員が検査を受けるという決定は、五輪史上初めて。さらに、今大会は「ぜんそく」がキーワードになる。

 気管支ぜんそくの治療薬、β(ベータ)2刺激剤。吸入して使うこの薬は「ゼイゼイ、ヒューヒュー」といった呼吸が苦しくなるぜんそくの症状を緩和する。一方で、タンパク同化作用をもたらし、筋肉増強剤と同じ効果がある。興奮作用もある。それでも、これまでは事前申告さえすれば使用は許可されていた。病気による差別をなくすためだった。

 だが、ソルトレークからは、β2刺激剤の使用を申請する選手は、医師によって審査されたことを証明する書類の提出が義務づけられた。シドニー五輪で事前申告された件数は、607。これはアトランタ五輪の1・6倍に当たる。日本選手の申告は1人だけだったが、米国やオーストラリアはそれぞれ120人を超えた。人種間の差は否定できない。だが、日本オリンピック委員会(JOC)アンチドーピング委員会の山沢文裕委員(45)は「ぜんそく以外の目的に使っている可能性があるだろう」と指摘する。

 冬季競技の選手は、10〜20%がぜんそくを患っているとされる。空気が乾燥している環境のため、夏季競技の2〜4倍の数になる。ぜんそくの場合、発作が起きていない時の呼吸は、患っていない人と何も変わらない。そのため、ぜんそくを証明することが困難だとする指摘もある。医師を介した申請がソルトレークで抑止効果をもたらすのかは分からないが、ドーピングをめぐる検査、申告は確実に厳格化してきている。【佐々木一郎】

◆シドニー五輪のドーピング違反
 世界反ドーピング機関(WADA)の発表によると、シドニーでの違反は11件だった。うち5件でメダルが没収された。五輪開幕前に実施した2073件の抜き打ち検査では、23選手が陽性反応を示し、全員の五輪出場を差し止めたとしている。23選手の内訳はボクシング5、陸上4、自転車3など。

・nikkansports.comに掲載の記事・写真・カット等の転載を禁じます。
すべての著作権は日刊スポーツ新聞社に帰属します。
Copyright2001,Nikkan Sports News.