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とにかく飛ぶ。先月のフィンランド合宿では「あいつは本当に複合の選手か」と各国のコーチが驚いた。複合の若きエース高橋大斗(20=北海道東海大)のことだ。ジャンプの飛距離では、ベテラン荻原健司らを遠く置き去りにする。2季前から、すでに世界のトップクラスだった。
なぜ飛べるのか。「よく分かんないんですよね。カンテ(踏み切り台)にスキーをぶつけて飛ぶ感じ」。天性の力か。マタギの里、秋田県阿仁町で生まれ育った。スキーは子供のころから親しんでいたが、複合を始めたのは阿仁中2年と遅い。「父が学生時代に複合の選手で、すすめられた」。そこでジャンプに出合った。
青森県大鰐町(K点30メートル)や花輪(K点50メートル)へ足を伸ばし、練習を積んだ。複合だけでなく、純ジャンプの大会でも全国の上位へ顔を出すようになった。鷹巣農林高2年の国体では、複合で優勝、純ジャンプで3位に入った。翌年、日本の複合史上初めて、高校生のW杯メンバーになった。
今季のW杯は開幕戦10位、第2戦は11位といずれも日本人トップ。2戦とも前半ジャンプで3位につけた。「自分ではジャンプがそんなに良いとは思ってない。でも結果は出ているから」。今後に期待してくれ、と言わんばかりだ。
日本の複合は92、94年と五輪団体連覇を果たした。勝利の方程式は「ジャンプでトップ、距離で逃げ切る」だった。現在も、走力では北欧勢を上回ることはできない。日本選手が勝つためには、今も昔も世界一の飛躍が必要だ。
2年後輩で同郷の小林範仁(19=日大)とともに、複合新世代を形成する。来年の五輪は「シーズンの途中にあるな、というくらい。特別な思いはない」。高橋は新たな「金メダル世代」を築くため、高く、遠くへ飛び出そうとしている。【高宮憲治】
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