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スピードスケート短距離の新谷志保美(22)は「知識」の蓄積で速くなった。来年3月に筑波大卒業を控え、リンク上とは別に机との格闘も続けている。卒論の締め切りは今月20日。「早く仕上げないと卒業できない」と、こちらの方もラストスパートに入った。
体育専門学群に在籍し、卒論のテーマはズバリ「女子1000メートルについての研究」。「滑走スピードとピッチの関係を調べているんです。基本的にピッチが上がっている時に、スピードも上がっているんですが、そこにいろんなものが複雑にからむんです」。大会ごとに大学の関係者が撮影したトップ選手のレースのビデオを解析し、フォームやスケーティングを研究する。
ビデオには、三宮恵利子から田畑真紀、外ノ池亜希など、新谷が争うトップスケーターが収められている。新谷は「頭や机の上で考えただけで滑れるほど単純じゃない」と話すが、五輪を目指すライバルたちを分析することは「効率的に課題を明らかにしたり、イメージトレーニングとして(の効果が)大きい」と、自身の躍進の要因になっていることは間違いない。
それは、新谷の成績にも表れている。全中、高校総体、インカレを制してきた「学生界の女王」も、一般レベルでは才能を発揮できない時期が続いた。ジュニア時代は先週のW杯ソルトレークシティー大会500メートルで日本新を連発した大菅小百合に負けたことなどなかった。しかし、高校卒業と同時に三協精機入りした大菅に、その後は大きく引き離された。ところが、卒論に取り掛かった昨季ぐらいから「やっと追いついてきたかなと感じることができる」。今季は初めてW杯代表メンバーに選ばれた。
全中の2種目制覇で、名門校から誘いを受けた。しかし「スケートだけの生活は嫌だった」と無名の長野・伊那北高に進学。高校時代は大会に教科書を持ち込んだほど勉強熱心だった。156センチと小柄な体にあふれんばかりの知識を詰め込んで、新谷が世界に挑戦する。【吉松忠弘】
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