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スピードスケートの米国代表チームに、異色のコーチがいる。常夏の島ハワイ出身。日系人。小錦、曙を尊敬している。ライアン・シマブクロ氏(28)。「小錦、曙がハワイ代表として活躍した。私にとってすごい誇り。アメリカンヒーローなんだ」と笑う。米国ジュニアチームのコーチを務め、本番会場となる五輪オーバルで選手育成に取り組んでいる。今でこそ指導者の道を順調に歩んでいるが、ここまでは苦難の連続だった。
スケートに興味を持ったのは、80年レークプラシッド五輪5種目金のエリック・ハイデン(米国)へのあこがれだった。85年に競技を始めた。当時はアイスホッケー用の靴しかなかったが、自己流で練習と研究を重ね、ローカルヒーローになった。新聞販売などのアルバイトで貯金し、中古のスケート用靴を購入。その後、沖縄県人会や仲間がシマブクロ氏をデザインしたTシャツを売り歩いて提供してくれた資金で、89年に本場ミルウォーキーに乗り込んだ。「ハワイ代表」のつもりだった。体形が似ている清水宏保(27=NEC)の滑りをまねて、95年に米代表に選ばれた。
しかし、冬季五輪選手としてアメリカンヒーローを目指す夢は途切れた。肺の病気におかされた。長野五輪選考会1000メートルで6位。代表切符が手に入る4位に0秒98及ばなかった。開会式の曙の土俵入りは、テレビで観戦した。指導者転身を決意した。「スポーツが私にくれたことを、今度は若い子に教えよう」。
6歳からの経験と「日本人譲りの研究心」に基づく指導で、すぐにジュニアコーチの地位を確立した。「指導者でヒーローに? そうなれるように頑張るよ」。夢の続きを追っている。【嶽岡晃樹】
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