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父の転職が親子鷹(だか)の挑戦を後押しした。スピードスケートのアルピコを率いる外ノ池信平監督(52)は、娘の亜希(22)と2大会連続の五輪出場に挑む。父は諏訪バス、娘は松本電鉄に勤務。ともに長野県内の企業グループ「アルピコ」の社員だ。97年に長野・東海大三高を卒業した亜希の入社とともにスケート部もできた。
亜希が4歳のころから始まった親子の挑戦は8年前に転機を迎えた。外ノ池監督は当時、長野・辰野町でスポーツ用品店を開いていたが、量販店の進出で経営に行き詰まり、閉店。借金を返済するため建てて2年の一軒家を売り払い、ハローワークに通った。住み込みを条件に職を探し、見つかったのが諏訪バス別荘地の管理人の仕事だった。
別荘地は標高1600メートルの蓼科高原にあり、体づくりの練習に最適だった。転職した翌年には亜希が東海大三高に進学。父はコーチとして指導を続け、優秀な成績を収めた。高校総体優勝だけでなく、2年の冬にはW杯代表に初めて選ばれた。別荘地の管理人室には賞状とトロフィーが所狭しと並んだ。たまたま別荘地に宿泊したアルピコの幹部が、外ノ池親子の存在を知るまでに多くの時間はかからなかった。
亜希が高3に進学する直前に構想が持ち上がり、卒業と同時にアルピコスケート部が始動した。「(スポーツ用品店)閉店までの4、5年間は毎日が自転車操業。苦しかっただけに別荘地の仕事には運もあったのかなとは思う」。4坪(約12平方メートル)の店から始め、約20年続けた商売をあきらめた結果、アルピコと巡り合った。
外ノ池監督に選手経験はない。「半信半疑のところも」と謙そんするが、W杯北米2連戦では不調の娘を立ち直らせて全種目で入賞。「長野五輪は出るだけで感動した。今回はメダルを取りたい」。親子の夢は、手が届きそうなところまで近づいている。【桐越聡】
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