■ 著名人が語る21世紀
Tohoku2001
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福島県本宮町出身
ライジングプロダクション社長
平哲夫氏
平哲夫氏
(写真=スターを夢見る東北の若者へアドバイスを送った平社長)

◆平哲夫(たいら・てつお)
 1946年(昭和21年)8月24日、福島県本宮町生まれ。本宮1中3年時に東京に転出。東京都江東区立深川5中卒。22歳のころに故青江三奈さんが当時所属していた木倉事務所に入り、本格的に芸能の仕事を始める。83年にライジングプロダクションを設立。所属タレントは安室、今年3月に解散したSPEEDのメンバー、MAX、観月ありさ、DA PUMP、荻野目洋子、知念里奈など多数。好きなカラオケは石原裕次郎の曲。独身。169センチ、76キロ。血液型はB。
有言実行のパフォーマンス型大事


 安室奈美恵(23)、SPEED、MAXらを輩出したライジングプロダクションの社長、平哲夫氏(54)は21世紀の芸能界を引っ張るキーマンの1人だ。福島県本宮町出身で、20世紀後半を代表するスターを次々と世に送り出した。安室らを芸能界のトップに育て上げた平氏が東北のスターを夢見る若者へ、アドバイスを送った。

しゃべれて演技できること


 芸能界のスターを夢見る東北の若者へ。僕の子供のころと同じかどうか分からないけど、東北の人は粘り強いと思われています。その反面パフォーマンスがあまり得意じゃないような気がします。

 芸能界は関西や九州など全国からいろいろな人が集まってくる激しい競争社会です。その中で目立つのは不言実行よりも有言実行のパフォーマンス型。自分をどれくらいオープンにできるかという面で東北の人たちは少しだけ弱いような感じがしますね。

 確かに顔がきれいでも1つ前に出る、かき分けても前に出なくてはいけないときがあるわけですね。安室(奈美恵)が東京に出てきた時は、学校から何から猛反対されました。それを押し切って出てきた。控えめは確かに美徳かもしれないけど、引いてばかりではあまり目立たない。

 スターを目指す上で必要なことは映像と実物の誤差を知ることです。テレビを見ていて歌手の歌がうまく聞こえないことがあります。それはテレビの持つ宿命で、音量圧縮された音が流れているわけです。画像も太って見えることが多い。でも実物はすごく歌がうまいし、細く見えるはずです。

 実際にコンサートなどに行って生の歌手の歌、姿を見ることがいい勉強になります。その上で自分がテレビに映る側に立ったときどう映るか知ることです。まず自分自身を理解しないことにはどのように自分を見せていいか分からないですからね。

 それにしゃべりが不得手というのは自分の意思や気持ちを伝えていく上でマイナス。多少なまっていても、発音が違っても自分の意思や気持ちを訴えることが必要だと思います。


自己主張遠慮するな


 (安室など沖縄出身のアーティストがヒットした理由は)やっぱりパフォーマンスについて独特の土壌があると思うんですよね。沖縄の人たちは結婚式をやれば親せきが大勢来て、お互いに積極的にパフォーマンスを披露する。パフォーマンス好きという下地があるんですよ。音楽でも、三線(さんしん=三味線に似た沖縄の楽器)など独特の沖縄音階を使った音楽のルーツが彼らの根っこにあるんです。

 それに沖縄の人たちは踊るのも好きなんですよね。うちの(タレント)はブラックミュージックっぽいヒップホップ系のダンスをやっているけど、琉球舞踊は大体の人が踊れると思います。

 今、お客さんから本当の意味で求められているのがテレビエンターテイナーだと思うんですよね。米国ではビッグアーティストがテレビであまり歌いませんよね。でも日本では地上波への依存度が強い。そのためテレビで歌を歌うだけでなく、しゃべれて、演技することが重要なファクターになると思います。SMAP(スマップ)がハードスケジュールの中で慎吾ママをやったり、ドラマをやったり、歌をヒットさせるのは偉大だと思う。21世紀はこの傾向がより強くなると思います。

 また21世紀のボーカルに必要なことは、歌唱力のレベルアップ。現在は欧米音楽に日本的な音階、言葉を乗せて歌っている。今後はサウンド、メロディーとも欧米に負けないものを作っていくのが課題。より欧米に近づくということは、表現者(歌手)の力も近づかなくてはいけない。

 私は(スカウトする際に)声で取る。その次に主張の強い目です。僕が東京に出てきたころは方言のコンプレックスがあってしゃべれなかった。でもテレビの影響でなまりも少なくなった。タレントを目指そうと思ったとき、条件はみんな一緒です。今でももし、自己主張が遠慮気味だとしたらもっと自己主張してほしい。


(構成=八百板正人) 
日刊スポーツ東北版12月17日付紙面より

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