今、ジャマイカでは

 ジャマイカ代表の帰化作戦は、北中米カリブ海のライバル国を驚かせた。昨年4月13日のメキシコ戦を0―6で大敗するなど、W杯最終予選前半の5試合は1勝2敗2分け。6チーム中最下位に沈んでいた。シモンエス監督に反旗を翻したFWボイドとロウが、代表から外された。その代わりに補充された4選手が、イングランドでプレーする選手たちだった。

 ジャマイカの国籍を取得するには、本人か両親のいずれかがジャマイカで生まれていればOK。そこで英国生まれながら、ジャマイカに親族を持つMFアール(ウィンブルドン)シンプソン(ポーツマス)FWホール(同)バートン(ダービー)を帰化させた。

 4人は6月に代表入りし、9月からのW杯最終予選の後半5試合に向けて調整した。大活躍したのがバートンだ。カナダとの初戦からコスタリカ戦、米国戦、エルサルバドル戦と4試合連続ゴール。5試合を2勝3分けで切り抜け、W杯出場枠の3位以内に滑り込んだ。父がジャマイカ人、母が英国人のバートンは「父の故郷のために戦えるのは幸せ」と話していた。

 W杯予選終了後も、帰化作戦は続いている。今回のゴールド杯には、DFシンクレアー(チェルシー)FWゲイル(ウィンブルドン)が初めて代表入りした。この流れなら、6月のW杯では、先発が全員帰化選手になる可能性もある。生粋のジャマイカ人選手の不満は募る一方で、内紛が起こる危険性は高い。シモンエス監督の管理能力が問われる。

連載「夢、W杯」

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