代表選手の武器紹介

岡中 直人

 29歳で初の代表入り。だが、気後れはない。川口で安泰となった日本の守護神の座だが、岡中勇人は「勝つ自信はある」と言い切る。その切り札が、正確無比のフィードだ。

 岡中は常に「GKが攻撃の起点になるべき」と思ってきた。緊張気味で突入した豪州合宿。11日の紅白戦では、ゴールキックで、右サイドを駆け上がった名良橋の胸元へピタリとゴールキックを送った。約50メートルの距離を正確に結んだ。

 福岡の東海大五高入学後にGKに転向した。東海大では専門コーチもいなかった。技術のなさは、練習量でカバーした。松下電器(現G大阪)入社後も「遠くへ蹴ることだけを考えていた」。静止したボール、バウンドしたボール、すべての状態のボールを目標点に正確に届かせる練習を繰り返してきた。

 昨年のJリーグでは、自分のゴールキックでカメルーン代表FWエムボマの得点をアシストした。G大阪はカウンター戦法を多用するため、岡中の正確なフィードは 不可欠。代表もW杯本大会ではアルゼンチン、クロアチアの強豪相手に守備的布陣になることは避けられない。エムボマと見せた連係が、必ず生きると信じている。

 今合宿では、マリオGKコーチから「味方の足元ではなく、胸元に投げた方が、選手はトラップしやすい」と、スローイングに注文を出された。今日の豪州戦でベンチ入りが決定。「マリオのアドバイスを生かしたい」。4人の混戦GK戦争に、岡中は狂いのないフィードで終止符を打つつもりだ。

連載「夢、W杯」

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