代表選手の武器紹介

中村 俊輔

 最年少の中村俊輔(19=横浜M)は左足から放つ2種類のFKで勝負する。スルーパスでは中田に、ロングパスでは名波に劣るが、FKを直接ゴールする技術なら負けない。この日の試合は、左足内てん筋肉離れのため欠場。予定される19日の復帰戦で、インフロント(足の甲の内側)でのFKに生き残りをかける。

 中村は、2種類のFKを持っている。一つは、ボールの中央を捕らえながら縦方向へこすり上げ、強い回転で鋭く曲がり落ちるボール。もう一つは、回転がかからずスピードの変化がないまま沈むように落ちるボールだ。距離、ゴールへの角度に応じて使い分けるが、GKが反応しにくいのがその特徴。左足首の柔らかさで、インパクト直前に蹴り分けることができる。

 幼いころから左足首は柔らかかった。さらに、豊富な練習でボールを捕らえる時の感覚を身につけた。日産ジュニアユース時代には、レギュラーになれない時期もあった。体格、体力の差が著しい中学生の中で、小柄な中村は不利だった。唯一対抗できるのは、体に関係なくできるFKだけ。上達のために蹴り続けた。当時同チーム代表だった横浜M下條コーチは「練習が終わってもひとり残って練習を続けていたね」。天性だけにおぼれなかった。

 昨年のW杯アジア最終予選、日本の20ゴールにFKによる得点はなかった。カズ、名波では通用しなかった。だからこそ、中村にもチャンスはある。柔らかい左足首から繰り出すFKが、日本の武器になる。

連載「夢、W杯」

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