|

代表選手の武器紹介

岡野 雅行

 岡野雅行(25=浦和)の武器は、100メートル10秒8の快足にある。もっとも、試合中に100メートルを全力で走ることなどあり得ない。ただ足が速いだけでなく、走り始めてからすぐにトップスピードに乗るところが、岡野の最大の武器なのだ。

 岡野の走りは、陸上短距離選手のそれに似ている。がにまたが多いサッカー選手の多くは、ダッシュするときに足をバタバタさせる「助走」がある。しかし、岡野にはそれがない。1歩目から背後に足がきれいに伸びて、美しいフォームがつくられる。わずか3歩で相手DFを置き去りにできる。

 抜群の筋肉バランスが、きれいなフォームを生み出している。ひたすら筋トレを続けて太ももを競輪選手のように発達させても、トップスピードに乗るまでの時間が速くなるとは限らない。岡野は「あまり筋トレをやり過ぎてもいけない」と言う。筋トレで筋肉の柔軟性をなくすことなく、柔らかい筋肉をバランス良くつけることを心がける。

 フォームの美しさは、スパイクの壊れ方にも表れている。多くのサッカー選手の場合、走り方の癖で部分的に損傷が激しくなる。ところが、岡野のスパイクは均等に摩耗していくという。昨年からスパイクの個人契約を結んでいる、リーボック社の松岡賢氏は「走りとして理想的。最高のフォームですね」と絶賛している。

 日本サッカー界を代表するスプリンター岡野は、陸上選手の道を選んでも成功していたに違いない。

連載「夢、W杯」

   [目次]


目次 | W杯メーンページ