代表選手の武器紹介

中村 忠

 ユーティリティープレーヤーとして、DF中村忠(26=川崎)の評価は高い。代表では右サイドバックが中心。川崎では左サイドバックもこなす。さらに「ヒットマン」とも呼ばれるほどの徹底したマーク力を買われて、ボランチを任されたこともある。ジュニア時代にはセンターバックの経験もある。守備のポジションで、こなせない位置はない。

 決して足が速いわけでもない。体格に恵まれているわけでもない。だが高い戦術理解力が、これだけ多くのポジションをこなせる原動力になっている。立川高時代は「現役で東大も狙える」とまでいわれた明せきな頭脳の持ち主。さまざまな戦術を理解し、与えられた役割を把握し、そのポジションで必要とされる動きを的確にこなす。「便利屋」の一言で片付けられないほどの存在意義と価値が、中村忠にはある。

 かつて加茂周前日本代表監督は、Jリーグ人気が沸騰しているさなかに中村忠をこう表したことがある。「カズだラモスだと騒ぐのはいい。だけどなぜ、ヴェルディが強いか。それは中村がいるからだ」。攻撃力にやや難、といわれるが、そのマイナスを補ってあまりある「陰の仕事人」ぶりが、日本代表に中村忠を必要不可欠にする。

 「W杯ではディフェンシブに戦うことになる。いろんなポジションができた方がいい」。岡田武史監督は、複数ポジションをこなすことを要求している。中村忠は、岡田監督のこの一言にかける。

連載「夢、W杯」

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