Jリーグの大物たち

フリオ・サリナス(元スペイン代表)

 世界のトップスターが、Jリーグでプレーする。大舞台を経験した監督が、Jチームを引っ張る。W杯に参戦して、今日本で活躍する大物たちを紹介する。第1回は、スペイン代表のFWとして3度本大会に臨んだ横浜Mのフリオ・サリナス(35)。代表Aマッチ出場56試合のエースストライカーにも、苦難の時期があった。

 1986年に代表デビューしたサリナスは、同年のメキシコ、90年イタリア、94年米国の3大会に出場した。通算13試合出場で3得点。スペイン代表56試合で22点を決めたストライカーは、一昨年の欧州選手権を最後に代表を去り、今は日本代表の城とFWのコンビを組んでいる。

 サッカー強国のスペインでエースの座にいたサリナスだが、決してすべてがうまくいっていたわけではない。90年大会には、第3のFWとして出場。途中でレギュラーの座を奪ったが、予選も含めてほとんどフル出場はなし。94年大会の時は、所属のバルセロナでは控え。代表で出場すると「引っ込め」というファンの罵声(ばせい)も浴びた。

 そんな苦しさを知っているからこそ、サリナスはたくましい。「チャンスが来ることを信じてトレーニングを続けることだ。控えになったからといって集中力を欠いては、出番が来たときに力を発揮できない」。スペイン北部ビルバオの出身。粘り強さで知られるバスク人は、耐えることを知っている。だから、同じバスク地方出身のクレメンテ監督も代表で使い続けた。

 「ベンチに座ることも仕事だ。弱気になってはいけない。代表としての誇りを失ってはいけない。必ずチャンスは来る」。大舞台で修羅場をくぐってきただけに、サリナスの言葉は説得力がある。フランス大会の登録選手数は22人の予定。うち半分の11人は、ベンチで試合開始のホイッスルを聞く。

【サッカー取材班】

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連載「夢、W杯」

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