特別版 磯村尚徳氏に
フランスの日本ブームを聞く

 元NHKキャスターで、現在フランス・パリ日本文化会館の磯村尚徳館長(68=写真)は、本大会で「フランス国民は日本を応援します」と断言した。現在、フランスは空前の日本ブーム。時差7時間の異国の地で、日本はホームの雰囲気で戦えることになりそうだ。フランス大会開幕(6月10日)まであと2カ月。パリ日本文化会館内で磯村氏に聞いた。

 ―なぜ、日本ブームなのでしょうか

 磯村氏 昨年4月から1年間、日本の伝統文化を紹介するイベント「フランスにおける日本年」が各地で開催されました。計450の行事を120万人が見ました。これはフランス国民50人に一人という大変な数字です。皆さん日本に好意を抱いています。

 ―イベントの影響が大きいと……

 磯村氏 長年の積み重ねもあります。特に柔道の影響が大きいですね。現在、全人口における柔道人口は日本より多い。また、文学では今、川端康成、三島由紀夫、谷崎潤一郎を知らない学生はいないといってもいいでしょう。スポーツ、文学、いろんな層で日本ファンが増えています。

 ―フランス国民は、W杯で日本を応援するでしょうか

 磯村氏 柔道で世界一になった日本をサッカーでも応援します。国民性もあります。フランス人は米国的な合理主義、画一的な国を嫌う。歌舞伎、能、そして柔道と、文化的歴史のある国を何より応援します。

 ―フランスには、多くの日本人サポーターも来ますが

 磯村氏 フランス人は、英国のフーリガンと違って礼儀正しいと思います。予選が行われる3都市は日本と以前からつながりがあり歓迎しています。特にジャマイカ戦が行われるリヨンは、幕末の志士が来た都市。日本は、地元の人たちの応援に包まれるでしょう。

 ―サポーターにアドバイスを

 磯村氏 宿泊施設不足が伝えられていますがフランスは今、日本サポーターを受け入れる態勢を整えつつあります。教会に寝袋を持っていけば泊まることができるかもしれません。空き部屋を持つ家庭に日本人がホームステイできるよう交渉も始まっています。私も第1戦を見に行きますよ。

【聞き手・大崎公一郎】

磯村尚徳(いそむら・ひさのり) 1929年(昭4)8月9日、東京生まれ。学習院大卒。NHK入局後、フランス、米国などの特派員を皮切りに外報畑を歩み、74年「ニュースセンター9時」のキャスターを担当。「ミスターNHK」と呼ばれた。84年、フランスの国家功労賞を受賞。91年(平3)に退局、東京都知事選に出馬したが落選した。現在の肩書は、パリ日本文化会館館長、ユネスコ事務総長特別顧問。

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