テレビ局の対応は

 NHKと民放でフランス大会の中継をめぐるちょっとした綱引きが続いている。フランス大会はNHKが独占中継することが決まっているが、民放各局が中継や映像の提供をNHKに申し入れる動きが出てきているのだ。

 試合の模様は、ワイドショー、ニュースを問わず、報道素材として慣例で一番組3分以内なら、その使用は無料になっている。NHKも慣例通り映像素材を各民放に提供する予定だ。

 しかし民放では、大会期間中、試合は言うに及ばず練習の映像さえ3分以上は放送することはできない。ある局では、「一試合15分間分のサマリー(ダイジェスト版)の映像素材を提供してほしい」とNHK側に申し入れる予定。また別の局では、「予選リーグ3試合のうち1試合を中継させてもらいたい」と今月中にもNHK側に要求する動きを見せている。W杯予選で日本代表の不敗神話をつくり上げたフジテレビも「“もう一戦中継できれば、不敗神話の更新に貢献できる”とNHK側に言いたい気持ちはヤマヤマ」と、色気を見せる。

 ある民放関係者は「昨年のW杯予選の視聴率を見ても、よだれが出るほどのソフト。すでに契約済みの話だが、ダメモトでも交渉したい」とルール破りの要求の理由を説明する。「民放には、NHKにはない演出のテクニックがある。NHKの中継は言ってみれば、男性50歳以上向け。民放的な中継のホットさで、不景気風を吹き飛ばしたい」ともくろんでいる。

 NHKはこうした要求に「現場から、民放にも中継させようとの提案はきていない」と中継権を譲らない構え。「3分以上の映像も渡せない」と話している。とはいえ、民放側も簡単には引き下がらず、NHK対民放の争いは開催直前まで続きそうだ。

【サッカー取材班】


目次 | W杯メーンページ
連載「夢、W杯」

[目次]