発表待つ周辺

 代表発表を前に、緊張しているのは選手だけではない。選手とスパイクの使用契約を結んでいるメーカーにとっても、選ばれるかどうかは大きな違いがある。世界中が注目するW杯で自社の製品を履いた選手が活躍すれば、最高の宣伝になる。1986年のメキシコ大会で、ブラジルのカレカは5得点をマークした。その時のスパイクはミズノ製。ミズノはその後、「ミズノのスパイクがW杯初得点」と大々的に宣伝し、一気に売り上げをアップさせた。

 そのミズノは今回、5人の代表候補を抱えている。山口(横浜F)小村(横浜M)はほぼ確定だが、残る3人は流動的だ。

 「何とか5人とも入ってほしいですね。本大会での活躍で売り上げは変わりますから」と同社広報宣伝部の中島良平さんは、代表発表を控えて落ち着かない様子だった。

 ディアドラの場合、候補は秋田(鹿島)一人だ。「彼の場合、選ばれるのは間違いないでしょう。だから、今はケガが一番怖いんですよ。うちは彼が頼りですから」と、同社では秋田にすべてをかけている。リーボックもそれは同じで、岡野(浦和)にかける期待は大きい。「彼の場合、最も足元が注目される選手ですから、一番いい選手と契約できたと思っています。本大会でも活躍してくれるとうれしいのですが」と同社では期待を込める。

 最も多い8人の選手と契約するナイキは、その点、余裕がある。「スパイクのクオリティーが悪いと選手は履いてくれません。これだけの数の選手と契約できたのは、クオリティーの証明だと思います。8人全員が選ばれてほしいですね。代表は子供たちのあこがれ。W杯で履いてもらえる効果は大きいですから」とナイキジャパンの坂井秀彦さんは言う。代表発表の陰には、メーカーの営業マンたちの、涙と笑いも隠されているのだ。

主なスパイク契約

〈ナイキ〉井原、小野、北沢、城、中西、名良橋、平野、呂比須
〈プーマ〉中山、楢崎、服部、増田、三浦知
〈ミズノ〉小村、中村忠、森島、柳沢、山口
〈アディダス〉斉藤、鈴木、名波、本田
〈アシックス〉川口、相馬、中村俊、市川(スパイクの提供は受けているが、契約は結んでいない)
〈ウールスポーツ〉岡中、小島
〈ディアドラ〉秋田
〈リーボック〉岡野
〈フィラ〉中田

【サッカー取材班】


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連載「夢、W杯」

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