W杯アジア最終予選速報

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日刊スポーツ特別版(PDF)
[日本−イラン][選手名鑑][最終予選完全版]

 勝った。日本代表が、悲願のW杯本大会出場を決めた。アジア屈指の攻撃力を誇るイランに対し、日本イレブンが体を張った。過去3勝2分け5敗と苦手にしてきた強敵を、延長後半3−2で撃破した。ドーハの悲劇から4年、初めて予選に挑んだ1954年から43年、10度目のチャレンジで、アジア代表切符をつかんだ。

 勝負を決めたのは、最終予選初出場の岡野だった。延長後半13分、俊足を飛ばして、GKがはじいた球に滑り込み、ゴールにねじ込んだ。岡野自身にとっては、つらい最終予選だった。初戦から最終戦まで毎回召集されながら、試合には1度も出る機会がなかった。カズや呂比須が警告の累積で欠場したカザフスタン戦も、スタメンの声はかからなかった。しかし、腐らずにその時を待った。そして迎えた大一番、最高の舞台で出番がやってきた。延長戦からピッチに立つと、これまでのうっぷんを晴らすかのように、走り回った。延長前半13分には、GKと1対1になりながら、パスを出して逸機した。久々の出場で弱気になっていたが、このミスで吹っ切れた。がむしゃらに駆け回った先には、フランスへの道を切り開くゴールデンゴールが待っていた。
<写真左=延長後半13分、ゴールデンゴールで勝負を決めた岡野>

 先手を取ったのは日本だった。前半40分、中田のスルーパスを受けた中山が左足で先制。しかし、後半に入るとアジジ、ダエイの両エースに立て続けに得点されて、逆転を許した。ここで、岡田監督が大胆なさい配をみせた。カズ、中山に代えて、城、呂比須を投入。これがピタリと当たり、後半30分に城のヘディングシュートで同点。押せ押せムードの日本は、延長戦で終始押しまくり、途中出場した岡野のゴールデンゴールに結びつけた。

 最終予選も、苦しい戦いの連続だった。好調な滑り出しも、9月28日のホームでの韓国戦では、まさかの逆転負け。中央アジア遠征でも勝ち星を拾えず、突然の監督交代というドタバタ劇も経験した。自力2位も、2度消滅した。しかし、決してあきらめないイレブンの闘志が、強い日本を復活させた。サポーターの強烈な後押しが、勝利をたぐり寄せた。そして、マレーシアの地で、日本サッカーに新たな歴史が刻まれた。
<写真右=前半40分、先制ゴールを決めた中山>

 日本代表は、すでに出場を決めている韓国、サウジアラビアとともに、アジア地区代表として来年6月10日から開催されるフランスW杯へ向かう。

 岡田監督「みなさんの応援があって初めてW杯に行けることになりました。ありがとうございました。いろんな人に感謝の気持ちでいっぱいです。ゴールデンゴールは、我々にとって有利だったと思います。(カズと中山の交代は)1−1でも思い切って変えようと思っていました。その後1点ビハインドになったので、すぐに変えました。延長の前には、この延長で勝負を決める、岡野を右サイドに走らせろと指示を出しました。この試合は、人気の落ちているJリーグの起爆剤のためにも、2002年のW杯の前に実力で出場するためにも重要でした」。

 井原「後半の立ち上がりで点を取られて苦しい試合でしたが、みんなのフランスに行きたいという気持ちで同点にすることができました。僕たちは4年前に悔しい思いをしていたので、なんとかフランスへの切符が取れてよかったです。みなさんに恩返しができました」。

 岡野「まだ信じられません。みなさん応援ありがとうございました。ずっと出ていなかったので、弱気になっていました。でもチャンスがあったので、絶対に決めてやろうと思っていました」。

 カズ「ここまで応援してくれたみんなにありがとうといいたいです。この予選を通じて勝つことの難しさ、代表の重みを感じています」。

 中山「ホッとしました。自分なりに仕事はできたと思います。みんなに感謝していますし、ここに呼んでくれたことにも感謝しています。この喜びのためにこの4年があったのかなと思います」。

 城(写真左)「苦しかったですね。よかったけど(W杯に)出てどれだけ勝てるかだから。また熱く戦いたい」。

 相馬「うれしいです。勝ったことが全てです。とにかくうれしいです」。

 山口「苦しかったです。最後はわりと冷静になってやっていたので、大丈夫かなと思っていました」。

 川口「2カ月長かった。ダエイにやられたけど、崩れないで立て直せたのがよかった。きょうは思い切り喜んで、またあすから頑張る」。

 呂比須「言葉にならない。長い間頑張って、最後に結果が出てよかった。お母さんはずっと応援してくれていたし、きょうもどこかで応援してくれていたと思う。お母さんにプレゼントしたい」。

 秋田「今までで一番きつかった。勝利はサポーターのおかげです」。

 名波「背番号が10番だからと風当たりの強い面もあったんですが、みんなが信頼してくれたので頑張れました」。

 中田「決めるべき所を決められなかったので、疲れました。本戦に出ないと何の意味もないので、そんな意味ではよかったです」。

 北沢「本当に疲れました。でも、それ以上にうれしいです。今の喜びをもっと大きな喜びに変えられるように頑張っていきたい」。

 日本サッカー協会・長沼健会長「長い間の悲願が実現できて感無量だ。マレーシアまで応援に来てくれたサポーター、スタッフ、選手全員にも感謝したいです。2002年に向けても、大きなプラスになる。岡田は困難な状況から、よくチームを立て直してくれた。今後のことは帰国してからの問題」。

 日本サッカー協会・川渕三郎副会長「うれしさをどう表現していいか分かりません。岡田監督のもと一丸となってここまでよく戦ってくれました。サポーターの方にもお礼を言いたいです」。

 日本サッカー協会・岡野俊一郎副会長「うれしくて、言葉がなかった。あの落ち込んだチームを岡田がよく立て直した。そして加茂のサッカーは間違っていなかった。岡田がそのサッカーをいい形で引き出した」。

 日本サッカー協会・大仁邦弥強化委員長「全ての人に感謝したいです。きょうの勝因は勝ちにいくんだという岡田監督と選手の意地だ。リードされてからの選手交代にそれが出ていた。全員で攻め、全員で守ったのがよかった」。

 釜本邦茂・参議院議員「いい意味で、この野郎よくぞやりやがったな、という思いです。日本のレベルはまだまだだが、将来に夢が無限に広がる大きな結果を残してくれた」。

 巨人・長嶋茂雄監督「W杯本大会初出場おめでとうございます。私もテレビを見ながら応援していました。一時は苦境に立たされながら、プレッシャーをはねのけての出場権獲得は本当に見事でした」。

◇アジア第3代表決定戦◇16日午後10時(日本時間)◇マレーシア、ジョホールバル
日  本 1−0
1−2
延前
延後
イラン
得点者

・前半40分、中山(日)
・後半1分、アジジ(イ)
・後半14分、ダエイ(イ)
・後半31分、城(日)
・延長後半13分、岡野(日)

試合経過

・ラルキンスタジアムの気温は28度、湿度80%。

・日本のスタメンは、GK川口、DF相馬、井原、秋田、名良橋、MF名波、山口、北沢、中田、FW三浦知、中山

・イランのスタメンは、GKアベドザデー、DFハクプール、ペイラバニ、アサディ、MFマハダビキア、エスティリ、マンスリアン、ザリンチェ、ナムジュ、FWダエイ、アジジ

・前0分、日本ボールでキックオフ。

・前0分、相馬が右足でクロスを入れ、DFがクリアミスしてオウンゴールかと思われたが、オフサイド。

・前3分、ダエイが、ペナルティエリアの外から両チーム初のシュート。大きく上に外す。

・前4分、中盤でFKを得て、ショートパスから山口がロングシュート。右に外す。

・前5分、イランのCKは、DFがクリア。

・前6分、山口の縦パスから北沢がくさびになり、中田がシュート。上に外す。

・前10分、日本ゴール前混戦から、イランFWがシュートしたが、キックミス。

・前16分、イランのCKをDFがクリア。

・前16分、ダエイの左からのシュートは、力なくゴール右へ。

・前17分、左サイド、名波のFKはGKパンチング。

・前18分、中山を倒したアサディがイエローカード。

・前19分、相馬のセンタリングから中山がポストになり、中田がシュート。左に外す。

・前21分、イランのCKは、シュートミスで川口が落ち着いてキャッチ。

・前22分、左サイド、中田のFKはDFがクリア。

・前24分、名良橋のセンタリングは、GKがダイレクトでキャッチ。

・前25分、ハクプールがイエローカード。

・前25分、中田のFKは、DFがクリア。

・前28分、井原がイエローカード。

・前29分、アジジがドリブルシュート。強烈なシュートも川口が横っ飛びでセーブ。

・前31分、名良橋のセンタリングは、やや大きくGKがキャッチ。

・前33分、名良橋の折り返しから、北沢がミドルシュート。正確にミートせず、上に外す。

・前35分、山口の縦パスに中山が反応したが、GKがセーブ。

・前35分、マハダビキアがイエローカード。倒された名波が、ピッチから一時退場するが復帰。

・前38分、マハダピキアのミドルシュートは、左ポストを直撃。

・前40分、中田のスルーパスに反応した中山が、DFの裏に飛び出し、左足でシュート。GKの手に当たるも、先制ゴール。

・前44分、名波が左にはたき、相馬がセンタリング。カズがGKを競り合うが、GKキャッチ。

・シュート数は、日本5、イラン6、コーナーキックは、日本0、イラン4。

(前半終了)


<ハーフタイム>
・後0分、イランボールでキックオフ。

・日本、イランともに選手の交代はなし。

・後1分、混戦を抜け出したダエイが左足でシュート。川口がはじいたところを、アジジが詰めて同点ゴール。

・後4分、中田とのワンツーから、名良橋がセンタリング。中山が頭で落とし、北沢がシュートしたが上に外す。

・後5分、相馬のセンタリングはDFにはじかれたが、こぼれ球を北沢がシュート。ワクに飛ばず。

・後7分、ゴール前ほぼ正面から、カズのFKは上に外す。

・後10分、アザディに代わり、ミナバンドが出場。

・後11分、カズがドリブルシュート。力なく右に外す。

・後13分、右サイドから名波のCK。DFが頭でクリア。

・後14分、右サイドを崩されてセンタリング。ダエイが高い打点から頭で合わせてゴール。

・後18分、カズと中山に代わって、城と呂比須が出場。

・後20分、ザリンチェに代わって、パシャルザデが出場。

・後22分、名波のセンタリングから、呂比須が頭で合わせたが、上に外す。

・後23分、中田のFKからのこぼれ球を井原がシュート。GKがセーブ。

・後24分、相馬のセンタリングを、城がワントラップしてシュート。DFに当たってCK。

・後25分、左サイドからのCKは、DFクリア。

・後28分、城がゴール前でシュートするが、GKが体に当ててセーブ。

・後30分、中田のCKはDFがクリア。

・後31分、中田のクロスを城がDFと競り合いながら頭で合わせて同点ゴール。

・後35分、ナムジュに代わって、モディルースタが出場。

・後35分、中田のCKは、GKが直接キャッチ。

・後36分、名波のFKを秋田が頭で合わせたが、左に外す。

・後39分、ゴール前の混戦からアジジがシュートするも上に外す。

・後41分、中田のFKは、軽く横に流し、名波がロングシュート。GKがかろうじてセーブ。

・後42分、北沢のセンタリングを城がヘディングシュート。クロスバーをかすめて外れる。

・後43分、相馬のセンタリングに、城がバランスを崩しながら頭で合わせるが左に外す。

(後半終了)


・延前0分、北沢に代わって、岡野が出場。

・延前0分、日本ボールでキックオフ。

・延前1分、岡野がシュートするもGK正面。

・延前2分、中田のスルーパスに岡野が走り込み、シュート。GKが体でセーブ。

・延前5分、右サイド、中田のFKをクリアしたボールを名波がロングシュート。左に外す。

・延前11分、中田のクロスを城が頭で合わせるがGK正面。

・延前12分、ハクプールのFKはカベに当たってCK。

・延前13分、イランCKをインターセプトした中田が、大きく縦パス。これに走り込んだ岡野がドリブルで持ち込み、GKと1対1になったが左にパスミス。

・延前15分、GKの遅延行為によりパネルティエリア内で間接FK。中田が横に出し、名波が狙うが失敗。

(延長前半終了)


・延後0分、イランボールでキックオフ。

・延後2分、ミナバンドがイエローカード。

・延後3分、アジジがイエローカード。

・延後6分、ショートコーナーからニアに城が飛び込んだが、ゴールキック。

・延後10分、イランのGKアベドザデーが左肩を負傷。

・延後13分、中田が一人をかわしてミドルシュート。GKがはじいたところに、岡野が詰めてゴールデンゴール。

(試合終了)


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