W杯アジア最終予選速報

日本! 自力2位消滅!
またも痛恨のドロー!
一部サポーターが怒りの暴動!

[日刊スポーツ特別版(PDF)]

 日本が、1−1でアラブ首長国連邦(UAE)と引き分け、フランスW杯本大会出場は極めて厳しい状況に追い込まれた。前半3分に呂比須のゴールで先制した日本だったが、同36分に同点ゴールを許し、後半は攻め込みながらもUAEの堅守に阻まれた。

 日本は通算1勝4分け1敗の勝ち点7で、B組2位のUAE(2勝2分け2敗、勝ち点8)との勝ち点差1は縮められず、依然として3位。またしても、自力2位が消滅した。残り2試合にUAEが連勝した場合、日本の2位は不可能になるが、UAEが一つでも勝ち点を落とすと、日本に2位確保の可能性が出てくる(下表参照)。しかし、日本が次戦に敗れ、UAEが勝つと、UAEの2位が決定する。また、この試合の結果により、韓国のB組1位と4大会連続5度目のW杯出場が決定した。日本は、最終予選突破へ向け、わずかな可能性をかけて11月1日の韓国戦(ソウル)に臨む。
<写真=前半36分、ハッサンスハイルの同点ゴール>

サポーターが選手に生卵!

 まさかの引き分けに納得のいかない一部サポーターが、試合終了後に暴動を起こした。引き上げる日本選手に、生卵などが投げつけられ、グラウンドには発煙筒や空きカンが放り込まれた。

 5試合連続無得点に終わった三浦知は、国立競技場の玄関を出る際に「もうやめちまえ」などの罵声を浴びせられたほか、目の前にパイプイスまでも投げ込まれた。車に乗り込んでからもビンやカンが投げつけられ、これに切れた三浦知がファンを一喝。一触即発のムードの中、30分以上も競技場から出ることができず、やむなく別の出口から別のタクシーに乗り込んで脱出した。

 また、関係者出入り口も500人以上に取り囲まれ、選手の乗ったバスが出られなくなり、数台に分かれて競技場をあとにする始末となった。「長沼を出せ!」とヤジを飛ばす者、サポーター同士で殴り合う者なども続出し、周囲は異様な雰囲気に包まれた。

 暴動には伏線もあった。UAE選手が何度もピッチに倒れて、2度も担架が運び込まれるなど露骨な時間稼ぎを展開。にもかかわらず、後半45分を20秒回っただけで、試合は打ち切られた。これに対して、三浦知、北沢らが主審に詰め寄り、観客も大ブーイング。試合中にはエキサイトした両チームの選手が何度かもみ合うなどし、サポーターの熱気も最高潮に達していた。

 岡田監督「前へ進むサッカーをしようと考えていました。ペナルティーエリアの中で思うようにプレーできず、1点しか取れませんでした。自力での2位はなくなったが、選手には最後にやり残したことがないよう、もう1度戦い直そうと話しました。選手の起用はベストだと思っています」。

 三浦知「引き分けたくて引き分けているわけじゃない。自分の気持ちは9月8日の最終予選開幕戦の時と変わっていない」。

 呂比須「(シュートは)コースを狙って迷わずけった。1点を取ってから、ボールキープをうまくできなかった。不用意なパスミスも多かった」。

 秋田「今までよりも自分たちのサッカーはできていたんだけど。3−0か3−1の試合だった。もっと前半に点が取れていれば。セットプレーの失点は、DFにとって一番守りにくいところだった」。

 山口「途中から出たんで、試合に慣れるのが難しかった。韓国戦については、個人的にはこうしたいというのはあるけど、監督が決めること。自分からは言えない」。

 北沢「結果論でしか話せないのがつらい。点を取れるときに取らないとね。本当につらい」。

 中田「ごめんなさい」。

 本田「取られるまでは楽な展開だった。イージーミスが多かった。気持ちの問題ですよ。気持ち」。

 相馬「ゆっくり考えさせて下さい。次は勝つしかない」。

 井原「あと2試合、全力でやるしかない。可能性のある限り戦えば、運がこちらに転んでくるかもしれない。きょうの試合については、出場していないので何も言えません」。

 日本協会・長沼健会長「流れをつかみきれていない。1点取ると、フッと気持ちが引き気味になってしまった。まだ、完全に希望がなくなってしまったわけではない。死にものぐるいで残り2試合を戦ってほしい」。

 UAE・サンドリ監督「引き分けには満足しています。日本の攻め方は分かっていた。戦術的には守備に重点を置くことと、中盤のプレスに気をつけろと指示していた。最後は感情的な試合になってしまったね」。

 観戦した韓国・車監督「1位通過が決まったのは、国民の声援と選手の汗のたまもの。2戦目のウズベキスタン戦と次の日本戦がヤマだった。日本はウチに負けてからずるずる落ちましたから。日本は選手の士気と自信が失われています。監督の作戦が悪いのではなく、選手が監督の指示についていっていません。次の日韓戦は、最もコンディションの良い選手をつかいます。韓国サッカーの名誉を取り戻したいと思います」。

日本とUAEの残り試合

日本(残り2)UAE(残り2)
14−−2勝
132勝−−
12−−1勝1分け
111勝1分け1勝1敗
101勝1敗2分け
2分け1分け1敗
1分け1敗2敗
2敗−−
日本は6試合で勝ち点7、
UAEは6試合で勝ち点8

◇アジア最終予選B組◇26日午後7時◇東京・国立競技場
日 本 1−1
0−0
UAE
得点者

・前半3分、呂比須(日)
・前半36分、ハッサンスハイル(U)

試合経過

 ・日本のスタメンは、4−4−2。三浦知、呂比須のツートップ、中盤で中田、名波、北沢、本田が先発。バックは、相馬、斉藤、秋田、名良橋。キャプテンは、出場停止の井原に代わって三浦知。UAEは3バック。

 ・晴れ、気温17.5度。

 ・国立入りは、日本が先。岡田監督は「終わったら、祝勝会をやりましょう」とコメント。

 ・国立は、5万5000人の大観衆。UAEが到着すると大ブーイング。

 ・UAEがトスで勝って右を取り、日本ボールでキックオフ。

 ・開始早々、日本、右CKも、GKにキャッチされる。

 ・前1分:呂比須が、中央から左足で強烈なミドルシュートもGK正面。

 ・前2分:UAE左サイドからの突破を名良橋がファウル。

 ・前3分:相手FKからのカウンター。三浦知から前線の呂比須へパス。呂比須が相手DFを一人かわして、右45度から右足でゴール左スミにゴール。この間に本田がイエローカード。

 ・前14分:UAEが、日本DFのミスからカウンターも、シュートはゴール上方へ。

 ・前15分:呂比須が中央突破する際に倒され、正面でFK。三浦知が直接狙うも、GKにセーブされる。

 ・前17分:左サイド相馬からセンタリング。呂比須、三浦知がヘッドで競り合うも、ファウル。

 ・前20分:呂比須が右サイドでFKゲットも、相手DFにクリアされ、カウンターに。そのままUAE、左CK。裏側へボール飛び、日本ヒヤリ。

 ・前23分:日本、右CKもGKにセービングされる。

 ・前26分:三浦知が、右サイドライン上で、イエローカード付きFK獲得。

 ・前27分:ゴール右サイドから北沢からのバックパスを中田が45度から、ミドルシュートもGKセーブ。

 ・前28分:北沢にイエローカード。

 ・前33分:UAE、左サイドからのFK。ゴール正面に飛び込むも、川口飛び出し、フライングキャッチ。

 ・前36分:UAE、右サイドからのFK。ゴール前左サイドへの早いボールをハッサンスハイルが頭で合わせて、ゴール右スミへ。

 ・前41分:左サイド相馬からのセンタリング。相手GKがキャッチミスも、詰めた呂比須がシュートミス。

 ・前44分:バヒット、イエローカード。次戦出場停止。

(前半終了)

 ・前半のシュート数=日本7本、UAE2本。

 ・イエローカード=両軍とも2枚。


<ハーフタイム>
 ・後半開始。

 ・後2分:UAE、右サイドからのFK。

 ・後4分:日本左サイド相馬からセンタリング。三浦知、呂比須がヘッドで競り合うもからぶり。

 ・後5分:モハメドアリが肉離れでアウト。ハッサンサイードが入る。UAEが中央から強烈なミドルシュートも川口キャッチ。

 ・後11分:本田に代わって、山口が出場。

 ・後13分:呂比須が中央からドリブル突破しようとしたところを引っかけられて、21メートルのFK。これでエキサイトしたイスマイル・ラシドがイエローカード。

 ・後14分:三浦知がフェイントを入れた後、呂比須がFKを直接狙ったが、ポスト右に外れる。

 ・後15:名波が取られたファウルから、UAEがFKを直接狙ったが、川口が正面でキャッチ。

 ・後18分:呂比須が左にはたき、相馬がセンタリングするも失敗。

 ・後19分:スルーパスに反応した三浦知が、ペナルティエリアのやや外で倒され、FKを得る。スハイルがイエローカードを受ける。

 ・後20分:三浦知がFKを狙うが、カベに当たって跳ね返される。こぼれ球を名波がシュートしたが、GK正面。

 ・後20分:名良橋のミドルシュートが、右ポストを直撃。UAEのDFがクリア。

 ・後24分:右サイドを中田が突破し、センタリングするがやや大きくサイドを割る。

 ・後27分:ハッサンに代わって、イブラヒムが出場。

 ・後28分:UAEのCKがゴール前にこぼれたが、かろうじてクリア。

 ・後31分:UAEがCKからヘッドで合わせるが、クロスバーに当たって外れる。

 ・後32分:相馬に代わって、城が出場。日本は、2トップのやや後ろに城が入る、3トップ気味の布陣にシステムを変更。

 ・後36分:ズハイルに代わって、モハメドオマルが出場。

 ・後38分:UAEの右CKは、DFがクリア。

 ・後41分:三浦知のスローインから呂比須がキープ。センタリングがこぼれたところに城が詰めるがGKセーブ。

 ・後42分:浮き球を競り合った城が、主審に抗議しイエローカードを受ける。

 ・後44分:名波がハーフライン付近からゴール前に放り込むが、FWがキーパーチャージ。

 (試合終了)


アジア最終予選プレイバック