W杯アジア最終予選速報

加茂監督更迭! 岡田新監督!
日本! まさかのドロー!

[日刊スポーツ特別版(PDF)]

 ロスタイムで同点に追いつかれた日本代表が、カザフスタンと1−1で引き分け、W杯出場はますます苦しい状況になった。日本は、通算1勝1敗2分けの勝ち点5でグループ3位。同日、韓国は3−0でUAEを下し、勝ち点12(4勝)で1位をキープ、UAEは勝ち点7(2勝1敗1分け)の2位で、前半戦を折り返した。韓国が独走態勢に入ったため、日本のB組1位での予選通過は難しくなったが、残り4試合で2位に入る可能性は残されている。日本代表は、11日にタシケントでウズベキスタンと戦う。

 もはや1敗も許されない状況で臨んだ1戦。立ち上がりこそ、カザフスタンの攻撃に苦しんだ日本だったが、前半22分、名波のCKから、ニアサイドに詰めていた秋田のヘディングシュートで先制。しかし、試合終了間際のロスタイムに、まさかの同点ゴールを許した。

 日本は再三の好機を逃したほか、リードしてからの試合運びがちぐはぐ。逆転された韓国戦と同じく、終盤に足が止まり、逃げ切りに失敗した。試合後のイレブンは、ショックを隠せず、足取り重くロッカールームに引き上げた。終始無言だったGK川口は、最後に「ばかじゃないの」と誰に向かってでもなく吐き捨て、バスに乗り込んだ。

 ホテルに戻ると、長沼会長ら日本協会の首脳が集まり、緊急トップ会談が開かれた。
<写真=前半22分、先制のヘディングシュートを決めた秋田>

加茂監督「今日は自分としては思い通りにやれたつもり。だけど、われわれの仕事は結果が全て。結果が悪ければ、監督の責任です。まだ、かすかに希望はあるので、全力を尽くしてやりたい」。

井原「最後のロスタイムの失点は、ドーハの悲劇の繰り返し。あれで乗り切れないのは、教訓が生きていない。でも、その時と違うのは、あと4試合があること。全てを懸ける」。

三浦知「チャンスがあるからあきらめずにやります。同じようなことを繰り返してしまい、情けない。どうしても点が取れなかったことが敗因だ」。

秋田「”残りがない”の声が聞こえて、経験不足が出た。時間稼ぎや、最後でキープとか、いろんなことができたはず。相手に取られて速攻を食らうなんて、これだけの力しかないということ」。

名波「点を取られたことより、2点目を取れなかったことが反省点だと思う。原因? 頭が回っていない。ボールをキープしたかったけど、うまくいかなかった」。

小村「集中力の途切れなんかじゃない。時間稼ぎするところで、全員の意思統一ができていない。そんなこと、監督にいわれなくても分かることなのに」。

カザフスタン・ベルダリン監督「今日は、運がよくて引き分けに持ち込めた。チームはまだ若いが、これからの試合で勝てるように頑張っていく」。

◆W杯への道
 日本はこの引き分けで、B組1位の可能性はほぼなくなり、2位を狙うしかなくなった。

 4連勝の韓国は、下位のカザフスタン、ウズベキスタンに取りこぼさなければ、勝ち点18となる。それに対し、日本は残り4試合を全勝しても勝ち点は17までしか届かず、1位浮上は苦しい。

 しかし、2位の可能性はある。日本は、ホームでのUAE戦とカザフスタン戦、アウエーでのウズベキスタン戦で3勝すれば、勝ち点14。UAEは、日本に敗れれば、中央アジア勢に勝っても勝ち点13。これを前提にすれば、ともに1試合ずつ残る韓国戦がカギを握ることになる。

 UAE−韓国は、日本が最終戦を終えた翌日(11月9日)に行われるため、日程も大きなポイントとなる。

◇アジア最終予選B組◇4日◇カザフスタン・アルマトイ
日  本 1−0
0−1
カザフスタン
得点者

・前半22分、秋田(日本)
・後半45分、ズバレフ(カザフスタン)

試合経過

・日本は、3−5−2のシステム。メンバーは、GK川口、DF井原、小村、秋田、MF相馬、山口、名良橋、中田、名波、FWカズ、呂比須。

・カザフスタンも、3−5−2のシステム。メンバーは、GKボスコボイニコフ、DFサドゥオフ、スパリシェフ、オシポフ、MFポポフ、バルティエフ、ファミルツェフ、コトフ、ティモフィエフ、FWリトビネンコ、ズバレフ。

・前半0分、日本ボールでキックオフ。

・前半0分、名波が激しいタックルを受け、一時退場。

・前半1分、日本ゴール前にハイボールを入れられ、川口がパンチングした際にキーパーチャージを受ける。

・前半7分、呂比須のポストプレーから、名波がロングシュートするも、上に外す。

・前半8分、カザフスタン、左サイドFKを直接狙うも、外す。

・前半11分、カザフスタンの左CKをフリーのスパリシェフが頭で合わせたが、右に外す。

・前半13分、カザフスタンの右サイドFKはミスキック。

・前半15分、中盤右からのFKを名波がゴール前に上げるが、GKキャッチ。

・前半18分、名波のセンタリングを呂比須がヘディングシュート。惜しくもポスト左に外れる。

・前半20分、中田が右に流して、名良橋がセンタリングするが、DFがクリア。

・前半21分、名波のCKを呂比須がDFと競ってヘディングするが、ジャストミートせず。

・前半22分、名波のCKを、ニアサイドの秋田が頭でドンピシャリ。先制ゴール。

・前半25分、カザフスタンがゴール正面のFKを直接狙ったが、右に外す。

・前半30分、名波のスルーパスが長すぎて、GKがキャッチ。

・前半31分、ポポフのスルーパスを受けたリトビニエンコが振り向きざまにシュートするが、ミートせず。

・前半36分、名良橋のセンタリングをカズがキープ。呂比須を経由して、相馬が右足でミドルシュートしたが、失敗。

・前半43分、カザフスタンの左CKも、DFがクリア。

・前半45分、カザフスタンの右CK。川口がボールとすれ違い、こぼれたが、山口がクリア。

(前半終了)


<ハーフタイム>
・後半0分、カザフスタンボールでキックオフ。

・後半1分、左サイドを崩され、カザフスタンがセンタリング。フリーのズバレフが頭で合わせるが、上に外す。

・後半3分、名波がフリーで抜け出し、GKと1対1になるが、ドリブルが大きく、クリアされる。

・後半4分、名良橋のクロスを呂比須がオーバーヘッドでシュートするが、ミートせず。

・後半7分、名良橋のセンタリングを、呂比須がキープ。左足でシュートしたが、クロスバーの上を越えた。

・後半13分、負傷したリトビネンコに代わって、ロギノフが出場。

・後半14分、名波の右CKをGKパンチング。クリアボールを、名波がシュートしたが、またもGKパンチング。

・後半17分、カザフスタンGKがペナルティエリアの外でクリアしたボールを中田が拾い、ロングシュートしたが失敗。

・後半21分、秋田がイエローカードを受ける。

・後半22分、カザフスタンの左FKも、DFクリア。

・後半23分、縦へのロングパスを、ティモフィヘフが頭で合わせるが、川口の正面。

・後半25分、左サイドから前線のカズへロングパス。GKがやや前に出たところをループ気味に狙うが、左に外す。

・後半28分、中田の右CKを、小村がヘディングで合わせるがクロスバーの上。

・後半29分、山口のロングパスを、呂比須がノートラップで狙うが、ゴールの右へ。

・後半30分、小村がイエローカードを受ける。

・後半33分、カザフスタンの右CKもDFクリア。

・後半39分、名波に代わって、本田が出場。

・後半43分、中田のパスを受けたカズが、ドリブルで中央突破してシュート。GKがはじいたところに中田が詰めたが、シュートは右のゴールポストを直撃。

・後半45分、イエテエフの縦パスを、ズバレフが振り向きざまシュート。川口が飛び込むも、同点ゴール。

(試合終了)

加茂「悔しい。サッカーは忘れたい」

 不振を極める日本代表の加茂周監督(57)の更迭が4日、決定した。岡田武史コーチ(40)が、新監督に昇格する。引き分けに終わったカザフスタン戦後、アルマトイのホテルで長沼健会長ら日本サッカー協会首脳4人が緊急トップ会談を行い、急きょ決定。現地で会見を行い、発表した。加茂監督も「こういう時は、棟梁(とうりょう)が代わるのが、一番いいだろう」と了承した。試合からわずか4時間半後の、異例の電撃解任劇となった。協会は、取りあえず11日のウズベキスタン戦は岡田新監督に指揮を執らせ、その後再び首脳会議を開き、岡田監督の続投、新監督招へいを含めて、再検討する方針。10月26日UAE戦(東京・国立競技場)以降3試合のスタッフ、選手の顔ぶれは、事実上の白紙状態となった。

<写真=試合終了5時間後の午後10時半に報道陣を集め、加茂監督の更迭と岡田コーチ(右)の監督就任を発表する長沼健会長>

長沼健会長「強化委員会の要請を受けて、加茂監督と岡田コーチを含めて話し合った結果、決めた。第1戦から同じ状況で、流れを変えなければいけない。これが一番いい方法だ」。

岡田武史新監督「ここ2試合の状況は、まだ修正できる。メンバーは今のままでいく。これからのことは真っ白。ウズベキスタン戦に集中し、それ以降のことはまた考える」。

大仁邦弥強化委員長「韓国戦が終わったときに、強化委員会を開き、このままではまずいということになった。今日のカザフスタン戦を見て、流れを変えなければと判断しました」。

 サッカーW杯アジア最終予選で苦闘中の日本代表・加茂周監督(57)解任騒動で、日本サッカー協会・長沼健会長(67)が辞意を固めたことが5日(日本時間同日)、分かった。長沼会長はこの日、今月20日に開かれる同協会理事会で辞意を表明することを明らかにした。長沼会長は、加茂監督更迭など、大事な時期に異例の監督人事で深刻な混乱を招いたことは自らの責任と説明した。

 一方、加茂監督解任が決まった4日の会議の席上で、岡田武史コーチ(40)が、新監督受諾の際、「11日のウズベキスタン戦でさい配が悪ければ、他の監督に代えてほしい」と条件をつけていたことも、明らかになった。協会強化委員会ではすでに、岡田新監督を補佐する総監督やコーチとして日本人、外国人数人をリストアップしている。しかし、同委側は、岡田新監督の去就や補佐役をつけるか否か、またその人選など一切は岡田新監督の判断に任せる方針という。

 加茂監督は部屋に閉じこもり、一行の出発時にも姿を見せなかった。代わりに広報担当を通じて「これまでの流れを変えるとのことなので、監督を辞めることになった。選手たちには申し訳ない気持ちでいっぱいだ。勝負の世界なので、致し方ないと思う」とのコメントを発表した。その後、一人残ったアルマトイのホテルで会見に応じ、以下のように語った。

「悔しいが、仕方ない。韓国戦の最後の1点が、こういう結果になった。韓国は、個々の力では上。それでも、後半35分までは思い通りにいったが。(選手交代は)それは結果論。今でも最善の策だったと思っている。日本は苦しい状態になったが、まだ可能性はある。岡田君の下、もう一度まとまり直してほしい。祈るような気持ちだよ。(今後は)まず日本に帰る。サッカーのことは忘れたいが、日本の試合は見るだろうなあ」。

 電撃解任劇から一夜明けたこの日、選手は不安な表情で重い口を開いた。三浦知(川崎)は、「結果が出なければ、勝負の世界では仕方ないですからね」。城(横浜M)は「この時期に代えるというのは、動揺もあります。気持ちを切り替えていかなければ」と複雑な心境を告白した。井原主将(横浜M)は「ぼくらは何も言えないことですから。とにかく、残り4試合を全勝することに全力を挙げるだけです」と述べた。一行は、再起をかけてウズベキスタン・タシケントに向かった。 (国際電話)


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