特注ビデオで真のエースへ−城
1998年3月9日更新

 日本代表FWのポジション争いは、ますます厳しくなっています。ダイナスティ杯では、登録された5人のFW全員が出場。中でも好調だったのが、5人の中では最も若い城彰二です。フランスW杯本番のレギュラーどりに、一歩前進した感じでした。

 城は、サッカーに対してとてもまじめな男です。昨年、市原から横浜Mへと移籍しましたが、これも「サッカーに集中するために、よりよい環境を求めて」というもの。自分の出場する試合はすべてビデオに収めて、後で見直して動きをチェックします。それも、単なるビデオではなく、自分の動きだけを追った特注のビデオ。「城カメラ」を設置してまで、ストライカーとしてのプレーの質を高めようとしているのです。

 もう一つ、精神的に強いのが城の魅力です。かつてJリーグ入りした直後、デビュー戦からの4試合連続ゴールでマスコミにも派手に取り上げられました。しかし、そのゴールが途絶えた後は長い低迷。Jリーグでもベンチを暖めることが多くなりました。連続ゴールしている間に、自分自身のプレーを見失っていたのです。この低迷が、城を精神的に成長させたことは、間違いありません。

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 「城レギュラー当確」などと報道されることもありますが、本人は決して楽観していません。「まだ、フランスのピッチに立てるかどうかはわからない」と、慎重に話します。ストライカーは、好不調の波が激しいもの。今良くても、次の試合ではどうなるかわからない。城は、経験からもそれを知っています。

 「城には、まだチャンスを与えたい」。韓国との試合後、岡田監督はこう言いました。もちろん、これは「レギュラー当確」を意味する言葉ではありません。逆に「もっと努力して欲しい」という意味でしょう。もっとも、城に対する期待が大きいのは事実。カズや呂比須を越えて、代表のエースになれると思っているからこその言葉です。

 浮かれることなく、城はゴールを目指します。韓国戦では終了間際に劇的な決勝点を挙げましたが、それまでいくつもあった決定機に決めていれば、日本が楽に勝つことができたのも事実です。もちろん、城自身もそう考えているはず。だからこそ「もっと、決めるべき時に決めなければ」というのです。

 代表のFW争いは、6月まで続きます。城にとっての戦いは、まだまだ終わることはありません。ベテラン揃いのFW陣の中で、城が「若きエース」から「真のエース」となった時、日本代表のレベルは一段上がるはずです。城は、きょうも向上目指して黙々とトレーニングを続けているはずです。

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