世界のレベル知り謙虚に−小野
1998年3月30日更新

 Jリーグのスーパールーキーが、日本代表入りしました。4月1日の日韓戦(ソウル)の日本代表に、浦和のMF小野伸二(18)が選出されたのです。清水商から今オフにプロになったばかり。Jリーグ開幕からわずか2試合に出場しただけで大抜擢でした。

 とにかく凄いのです。デビュー戦となった21日の市原戦では、いきなり好パスを連発。体力的な問題もあって、90分間フルで活躍したという訳ではありませんが、新人離れしたプレーで楽しませてくれました。

 さらに、25日の横浜F戦ではJリーグ初ゴールも決めました。決勝点となるゴールは、福永のパスから縦に抜け出し、GKと1対1になりながら、冷静に右足インサイドでゴール右に流し込んだもの。シュートする直前に左の方をチラリと見てフェイントをかける当たりに、余裕と技術の高さが見られました。

 特に凄いのがパスです。日本代表のパサーと言えば中田が有名ですが、そのパスとも違います。繰り出すボールは、ほとんどがダイレクトで出ます。プレーが止まらないから、見ていても爽快。そして、何より受け手に優しいパスが多いのです。中田の鋭いパスは味方選手を走らせますが、小野の柔らかいパスは走った味方に出ます。どちらがいいとは言えませんが、質は違うことは確かです。

バックナンバー
インデックス

ワールドカップ
メーンページ
 「自分のことより、まずはチームが勝つことが大切です」「中田さんから、いろいろ教えてもらいたいと思います」。言葉はいつも謙虚です。ルーキーでいきなり出場しても、どんなに騒がれても、いつも発言は控え目です。チームメートから好かれる理由は、そんな性格にもあるのです。

 清水商1年の時、U−17日本代表の一員としてブラジル遠征に行きました。現地の高校生らとの試合で受けたショックが、小野を変えました。「技術的に、まったく歯が立たなかった。まだまだうまいヤツがいるなと思いました」。日本の中で誰にも負けない技術を自負していた小野は、世界のレベルの高さに愕然としたのです。だから、謙虚な姿勢を失わないのです。

 開幕前「まだFWとのタイミングが合わない。徐々に合わせていこうと思います」と、話していました。言葉通り、試合ごとにパスの精度は増していきます。ペギリスタイン、ペトロビッチとの連携がさらにあってくれば、どれほど活躍するか予想も出来ません。

 高校時代から「10年に一人の逸材」と言われ続けてきました。高校選手権に出場していないために、一般的な知名度はそれほど高くありませんでしたが、中学2年でU−15(15歳以下)日本代表に選ばれて、その後もユース年代の代表で活躍を続けていたのです。

 清水商卒業を前に、獲得に動いたのはJリーグ全クラブ。さらに、オランダのアヤックスやイタリアのユベントスからも誘われました。その実力は、日本以上に海外で評価されていたのです。日本代表の岡田監督は「まだ完璧ではないが、多くの才能を持った選手」と、小野について話しました。フランスW杯出場も、もう夢ではないのです。

このページは、毎週月曜日に更新します