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伝統スタイル象徴、スーパーサブが優勝決める!
ブラジル・デニウソンvsドイツ・ビアホフ

 チームを世界一に導くには、スーパーサブだ。伝統国同士の決勝は、終盤まで0−0のこう着した展開が予想される。そうなれば、試合を決めるのは途中出場の選手。90分平均のドリブル・ラン1位のブラジルFWデニウソンか、90分平均得点率で5位につけるドイツFWビアホフか。個人技のブラジルと高さのドイツという伝統的スタイルを象徴する2人が、勝負を決める。

90分平均のドリブル数
フットサルで鍛えた「特別な才能」

 ブラジルの誇る「ドリブルキング」が、チームを優勝へと導く。デニウソンの90分平均のドリブル・ラン数27・2は、断然トップの数字。ブラジルらしい個人技に裏打ちされたドリブルで切り裂いていく。トルコとの準決勝で、相手4人に追いかけられながらドリブルを続けた選手、と言えば分かる人も多いはず。

 幼いころからストリートサッカーに興じ、フットサルでもプレーした。いくらプレッシング全盛の現代サッカーにスペースがなくなっているとはいえ、ストリートやフットサルに比べれば、はるかに広い。デニウソンなら、いとも簡単に狭い空間を突破できる。

 足の内側、外側、甲、つま先、すね…。あらゆる部分を使ってDFを抜きにかかるスタイルは見ているだけでも面白い。「歴史に残るようなプレーがまったくない」といわれる今大会で、最後に驚くようなプレーを見せてくれるとすればデニウソンだろう。フェリペ監督は「チームのリズムそのものを変えることができる特別な才能を持った選手だ」と信頼を寄せる。

 98年にサンパウロからスペインリーグのベティスへ移籍した時の移籍金は4160万ドル(当時47億8400万円)。その時点で史上最高額だった。日本ではロナウドやリバウドほど有名ではないが、同じブラジル人のジャウミーニャらとともに、現代を代表するファンタジスタとして常に名前が挙がる。

 世界的にサッカーが画一化してきている今、ブラジルでもフィジカルコンタクトや戦術眼を重視するようになっている。徹底して個人技にこだわる選手は少なくなった。「化石」のような存在となってしまったデニウソンに対するブラジル国民の思い入れは、日本人が考える以上に大きい。

◆ブラジルフットサル連盟に競技者登録されていた選手◆
選手名 登録年 登録チーム 所属連盟
ベレッチ 91年 エウカトゥル・カスカベウ パラナ州
ロナウジーニョ アスプロセルグス リオグランデドスール州
カカ サンパウロ サンパウロ州
ロナウド ソシアル・ラモス リオデジャネイロ州
デニウソン 92年 サント・アマロ サンパウロ州
リカルジーニョ AABB パラナ州
ルシオ 94年 バンコ・レジオナル ブラジリア
※ロナウドは92年にはグラジャウにも所属
 ◆ブラジル代表とフットサル 現代表チームでは、フットサルの選手登録歴があるのは7人いる。FWデニウソンやロナウド、ロナウジーニョらだ。フットサル出身選手の特長は、何といっても、狭いエリアでも勝負できるテクニックが挙げられる。


ドリブル中の選手へのタックル数
選手名 国名
宋鍾国 韓国 27
ハマン ドイツ 25
A・コール イングランド 25
ダフ セネガル 25
フリングス ドイツ 24
レイナ 米国 20
エムレ・ベロゾール トルコ 19
ルシオ ブラジル 19
エルギュン トルコ 18
メルベリ スウェーデン 18
ファティッヒ トルコ 18
タックル2位ハマンが天敵

 デニウソンの天敵となりそうなのが、ドイツのMFハマンだ。optaスタッツではなく、FIFAの統計によると「ドリブルしている選手へのタックル数」で25を記録しており、全体の2位につけている。腰の強い粘りのある守備で、中盤で相手を仕留める。

 またハマンは、チーム内のパス数NO・1をマークしており、ボールを奪うと、すぐに攻撃の起点となるパスをさばくことができる。ドイツは、中盤の攻撃の要であるバラックが出場停止になるが、タックルとパスに優れたハマンが2人分の働きを見せることができれば、バラックの穴を埋めることも可能に思われる。


得点率5位・ヘッド世界一!ビアホフ

90分平均のゴール数  前回大会のドイツのエースだったビアホフは、今大会を最後に代表から引退することを表明している。セリエAで得点王に輝くなど「世界一」と形容されたヘディングは見納めとなる。今大会はわずかに1ゴールだけだが、90分平均の得点で5位につけている。これはいかに短時間でゴールしているかを示す数字。スーパーサブとして期待に応えられる素地はある。

 起用されるとすれば、終盤の拮抗(きっこう)した場面。クローゼ、ヤンカーとともに「トリプルタワー」を形成すれば、ブラジルDF陣にとってはこれ以上ない脅威となる。世界でも屈指の「空からの攻撃陣」が完成する。ブラジルの攻撃陣が足元のテクニック抜群の3Rなら、ドイツはこのトリプルタワーが切り札となる。

 元ドイツ代表FWでもあったフェラー監督は、常にモチベーションに注目してストライカーを使う。ゲームにすぐに入っていける選手を見極めて起用する。引退試合のビアホフは、その点で最も高いものを発揮するはず。起用される可能性は高い。ドイツならではの終盤の猛攻は、この元エースから生まれることになりそうだ。


今大会通算クリア数
選手名 国名
ルシオ ブラジル 60
ポープ 米国 57
ディアッタ セネガル 55
M・ディオプ セネガル 52
崔鎮■ 韓国 51
ヤコブソン スウェーデン 50
リンケ ドイツ 49
ファーディナンド イングランド 49
ミャルビー スウェーデン 47
10 ラウルセン デンマーク 45
※■…吉ふたつ
「クリア王」ルシオが阻止

 ドイツの空からの攻撃に対応するのは、ブラジルの「クリア王」ルシオだ。188センチ、81キロと恵まれた体を誇る。ブンデスリーガのレバークーゼンでプレーしており、ドイツFW陣の癖は熟知している。さらにフットサル出身で、足元のテクニックもしっかりしている。今大会の総クリア数60は全体のトップに立っている。頭でも足元でも崩されることは少ない。課題は一瞬の集中力の欠如だ。しかし、準々決勝でイングランドのオーウェンにゴールを与えたミスを深く反省しており、決勝では最後まで集中できそうだ。


ブラジルvsドイツ、キーマンは俺だ!
ブラジル シュートキング、リバウド

 リバウドは、ペナルティーエリア(PA)外からでもチャンスを見つければシュートを打ってくる。PA外からのシュート数は13本で今大会トップ。しかし、得点は1点しかマークしていない。PA外から得点をマークした選手は22人いるものの、2得点を挙げた選手はまだいない。
左右どちらでも、ロナウド

 ロナウドの今大会の得点内訳は、右足4、左足2と右が左の2倍となっている。シュート数も右足18、左足4と右が左の3倍以上になる。しかし、枠内シュート率では、右足が18の12で67%、左足は4の4で100%。リバウドの左足と違い、左右どちらからでもシュートを打てる強みがある。
アシスト率1位、ロナウジーニョ

 ロナウジーニョのアシスト数3は、ドイツMFバラックの4に次いで2位に立っている。だが、バラックの出場時間は、540分なのに対し、ロナウジーニョは250分で、90分に換算すると、バラックは0.67、ロナウジーニョは1.08。90分の出場で、必ずアシストを決める計算になる。
ドイツ セーブ率No.1!カーン

 カーンのセーブ率は、今大会NO・1の94%を記録している。6試合1失点のみ。唯一の失点もPA内からのもので、PA外からのゴールはまだ1本も許していない。外から打たせれば大丈夫だという安心感を、味方守備陣にも与えることができる守護神だ。
5得点すべて頭、クローゼ

 クローゼは、5得点すべてをヘディングで決めた。空中戦には絶対の自信を持っている。シュートの内訳もヘッドが12、右足5、左足0と極端に偏っているのが分かる。それだけに、ブラジルはクロスに対する守備さえ徹底すれば、抑えることができるともいえる。長所が短所にもなっている。
ラストパス1位、シュナイダー

 シュナイダーのラストパス数は19本となっており、今大会NO・1の数字をマークしている。90分換算した場合も3.5本で、180分以上出場した選手の中ではフィーゴ(4.0)トッティ(3.6)というラストパサーに次いで3位になっている。また、19本中3本でアシストも記録されている。



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