イチロー逃げられ2四球
<MLB球宴ア・リーグ7−6ナ・リーグ>◇15日◇シカゴ・USセルラーフィールド
イチローらしい3度目の球宴の幕開けだった。初回の第1打席、しかも1球目。速球派シュミットのストライクゾーンに来た内角直球を思い切り引っ張った。「ホームランを狙ってたんですけどね」。鋭い打球は一塁手の正面をつき内野ゴロに倒れた。しかし、感触は悪くなかっただけに、試合後は納得の表情で振り返った。
打席に入る前から「初球を打つ」と決めていた。球宴の先発を任されるのはリーグで最高の投手。切れのあるボールに初球からイメージ通りに体が反応できるかをテストしたかった。昨年もシリングの初球を打ちにいっている(一ゴロ)。公式戦が中断される3日間で、打率首位に立った前半戦の感覚を鈍らせたくない。イチロー流の、後半戦に向けた「準備」の1つでもあった。
ヒットは出なくても、イチローらしさは存分に見せた。4回の守備で右中間への大飛球を、背走しながらジャンピングキャッチ。球場記録となる4万7609人の超満員の観衆を沸かせた。松井との右中間コンビについても「やっぱりいいものだなあ、と思った。何年かたってから思い出すでしょうね」と感慨深げに話した。
過去2年間とは違う感覚も味わった。今年から勝者にワールドシリーズの開幕権が与えられることになった球宴。ナ・リーグ投手陣のイチローへの警戒はレギュラーシーズン以上だった。2打席目、3打席目は外角中心の配球で連続四球。「バットを振りたかったですね」。少しだけ悔しさも残った。
試合は追いかける展開となり、イチロー自身も予定の5回ではベンチに退くことができず、7回の守備までプレーした。「17番(4失点した長谷川の背番号)のせいですよ」。わざとふくれっ面をつくったイチローの目は笑っていた。「ワールドシリーズをシアトルで開催できればいいですね」。2年ぶりの首位打者へ、後半戦の準備は万端。さらに世界一へのアドバンテージも取った。収穫の多い球宴だった。【広瀬雷太】
[2003/7/17 紙面から]
写真=ナ・リーグの全選手が勢ぞろいした中、スタメン紹介で登場した松井を握手で迎えるイチローらア・リーグナイン(撮影・栗山尚久)
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