WBC集結!!イチロー軸の王JAPAN始動
マリナーズ・イチロー外野手(32)が中心となって「王JAPAN」が動き始めた。21日、「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」に出場する日本代表チームが福岡ドームで練習を開始した。イチローは1人だけ、ひざ元までのズボンをはきストッキングを出す「クラシック・スタイル」で登場。ランニングの先頭に立ち、打撃練習、守備練習でもナインから熱い視線を浴びるなど存在感は群を抜いていた。主将制度は導入されなかったが、イチローを軸として世界一へ挑む。
福岡ドームが静寂につつまれた。練習の最後にイチローが特打のため打撃ケージに入ると、守備に就いている選手は動きを止めてイチローに見入った。打球は追わない。打撃フォームを目に焼き付けるような視線を送った。ロッテの今江や西岡らはタイミングの取り方をまねるしぐさもしていた。音楽も流れていない球場内は、イチローの打球音しか響かない。打撃練習というより、芸術を鑑賞する時間のようだった。
グラウンドに現れた瞬間から、イチローの存在感が満ちあふれていた。全選手のうち、イチローだけがひざ元だけのズボンをはき、ストッキングを出す「クラシック・スタイル」だった。
イチロー「みんな長くしているし、こういうきっかけがないと変えられませんからね。ボクが似合うのは分かっていたし」。
ランニングには先頭に立った。外野の守備練習では2つのグループに分かれ、間に飛んできた打球を追いかける際のルールを確認し合っていた。
イチロー「外野手としての基本を確認し合いました。それができていれば問題ない。外野手としてのルールを決めました」。
王監督は「余計な神経を使わせる形にはしない」という方針から、主将制度は導入しなかった。だが、存在感でも練習でも、イチローがチームの中心にいた。リーダーの振る舞いは意識したのか。会見でそう問われたイチローは笑って否定した。
イチロー「ボクは意識すると引っ込んでいく方ですから自然発生の行動です」。
チームには若手も多く、面識がない選手もいた。イチローは練習中もコミュニケーションをとろうとしていた。中日福留とキャッチボールをし、ティー打撃の際にヤクルト青木に話しかけ…多くの選手と接触していた。
イチロー「まだ壁はあるけど、これから一緒にプレーしていけばなくなるでしょう。柔らかい選手が多いなと思いました。プレーもそうですけど、頭もです。対応力を考えれば十分にやっていけると思いました」。
WBCという初めての大会は、どのような価値があるものか不明点も多い。ヤンキース松井やホワイトソックス井口ら辞退選手も出て、ファンは盛り上がるタイミングを失った。しかし、イチローが出場し真剣に臨むことで大会そのものの価値も高まっていく。
イチロー「勝つだけではなく見ている人に、きれいだなとか、すごいなと感じてもらいたい。それはボクのポリシーですから。向こう30年間、日本には勝てないなと(相手に)思わせるような勝ち方をしたいですね」。
日の丸を背負ったイチローが、どんなプレーを見せてくれるのか。野球ファンならずとも、目に焼き付けておく価値はある。【飯島智則】
[2006/2/22/08:29 紙面から]
写真=WBC日本代表の練習初日、ランニングで先頭に立ち笑顔を見せるイチロー
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