古田劇的黒星デビュー、あと2人でまさか
<オープン戦:日本ハム4−2ヤクルト>◇26日◇名護
試練の監督デビューとなった。ヤクルト古田敦也兼任監督(40)が、初のオープン戦となる日本ハム戦に臨み、まさかの逆転サヨナラ負けを喫した。日本ハム先発が左腕に対し、先発メンバーを全員右打者にするなど、オープン戦らしからぬ「本気モード」で必勝態勢を敷いた。選手として出場せず監督に専念。1点リードの9回裏デビュー戦勝利まで「あと2人」と迫ったが、1死一、二塁から高井が新人川島に逆転3ランを浴びた。29年ぶりとなる兼任監督の第1歩は、劇的な敗戦から始まった。
無表情で打球の行方を見つめるしかなかった。1点リードの9回裏。高井がまさかの逆転サヨナラ3ランを浴び、29年ぶり兼任監督の初陣は劇的過ぎる敗戦で幕を閉じた。古田兼任監督は「結果は負けましたけど、いろんな課題も出てくるでしょうし。まあ、こんな感じかな」と第一声では苦笑いしたが、最後には「あそこまでいったら勝ちたかった。残念です」と本音も漏らした。「思い出に残りますか」という問いには「早く忘れられればいい」と悔しささえにじませた。
オープン戦でも初戦から勝負にこだわった。ビジター戦でもラロッカ、ラミレス、リグスの外国人野手3人を起用。日本ハム左腕リーの先発に、右打者9人をずらりと並べた。古田は「僕も右打者でやっぱり左の方が打ちやすい。そういう中で結果を出してほしかった」。投手も昨季の開幕投手石川を先発起用。期待の新戦力である木田やルーキー松井光介投手(27=JR東日本)を惜しげもなく投入。戦力を隠す必要の少ないパ・リーグ相手とあって全力で勝ちにいった。
試合中も動いた。5、8回と2度の無死一塁ではいずれも送りバントで確実に走者を進めた。伊東ヘッドコーチとともにサインを出し、時には自らのメモにペンを走らせた。楽天野村監督にそうされたように、捕手米野を近くに寄せ、試合を見ながらアドバイスを送った。5回の同点、6回の逆転の場面ではベンチから出て選手を出迎えた。4回1失点の石川は「今日は調整じゃなくて勝ちにいくという気持ちが強かった。監督も勝負にこだわっているし、いい雰囲気になっている。監督が率先してそういうものを出している」と指揮官の気迫を口にした。
試合前には新庄のリクエストにこたえてTシャツをプレゼントし、お返しに香水を受け取った。「サイン入りでした。つけたんだけど勝てなかった」。今日27日には今キャンプ初の紅白戦を行い、ほとんどの投手を投げさせて戦力見極めに着手する。まさかのサヨナラ敗戦スタートを大きな教訓に、監督としての戦いが始まった。【大塚仁】
[2006/2/27/09:24 紙面から]
写真=逆転サヨナラ負けにお手上げポーズ? 試合中から初采配の古田兼任監督はおどけたポーズをする。右は伊東ヘッド兼投手コーチ
|