楽天終盤ヨレヨレ、野村監督怒る
<オープン戦:ソフトバンク3−3楽天>◇1日◇福岡ヤフードーム
あと1人で、野村楽天が初勝利を逃した。昨季、カモにされたソフトバンクとのオープン戦で、8回を終え3−1とリードし、9回裏も1点差に迫られながら、2死三塁までこぎつけた。だが、今季も守護神候補の小山が、宮地に痛恨の同点二塁打を浴び、規定で9回引き分け。野村克也監督(70)は、2番手・渡辺を強制降板させるなど、オープン戦とは思えぬ厳しさを見せたが、2年目新球団に山積する課題を痛感するドローとなった。
ノムさんが弱気の「ナベツネ」を一喝した。制球が定まらない2番手渡辺に見かねて、ベンチから飛び出した。ジャンパーのポケットに手を突っ込んだまま、のしのしと歩いた。内野陣が集まり、緊張が走るマウンドで交代を告げた。その間約1分。引き返しても、表情は険しいままだった。
野村監督 おれがマウンドにいくなんて珍しいよ。オープン戦で、監督やってて初めてだ。頭にきてなきゃ行ってない。冷静さを失ってるときだ。ストライクが入らないなんて、野球になんないよ。言葉? 交代と言っただけだ。
怒りの強制降板指令だった。登板予定は3イニング。交代した5回に3与四球で2死満塁としたところで、すぐに見切った。オープン戦とは思えない非情采配だったが、勝ちにこだわる姿勢はナインに伝わった。急きょマウンドに上がったルーキー青山浩二投手(22=八戸大)がズレータを遊ゴロに仕留めてピンチを脱出。「新人にはいい実戦練習になった。そういう意味では渡辺に感謝しないと」と、皮肉たっぷりに振り返った。
勝ちたい思いがにじみ出た。楽天は昨季ソフトバンクに3勝17敗と大きく負け越し。敵地では10戦1勝だった。試合前「力の差だからどうしようもない。0勝10敗にならないように頑張るわ」とはぐらかしたが、本心は違う。WBCで王監督や松中、川崎ら主力不在のオープン戦とはいえ、天敵をたたき、ナインの持つマイナスイメージを払拭したい気持ちもあった。
勝利は寸前で逃げた。最終回、今季も守護神候補としてテストした小山が2点リードを追いつかれてドロー。監督として阪神時代の01年10月3日ヤクルト戦以来となる白星はお預けも「初勝利は公式戦で結構。おれは年間で勝つ数が決まっている。楽天は公式戦もオープン戦も実力通りってことやな。課題やテーマがいっぱい出てきたな」。オープン戦1敗1分けと結果は出ていないが、山積した課題を1つずつ消化しようという意欲が感じられた。【柴田猛夫】
[2006/3/2/09:34 紙面から]
写真=5回裏ソフトバンク2死満塁、四球連発の渡辺(左端)に野村監督自らマウンドでカツ
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