鷹の左か、虎の左か
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| 阪神金本は苦手の左を克服できるか |
今回のシリーズは「左」がキーワードだ。阪神打線は、赤星、金本、桧山、片岡、藤本と左打者が並ぶ。各打者の今季の左投手との対戦成績をみると、藤本以外は対右投手よりも打率が悪い。特に金本は右投手を3割3分1厘と打ち込んでいながら、左には2割2分6厘と分が悪い。
一方、今岡、アリアスら右の主力は左に強い。ダイエーの左投手は、右打者を慎重に攻め、左打者を確実に抑えることが肝要となる。ダイエーの開幕が右の斉藤で決まりとすれば、第2戦がシリーズを占う重要なゲームになる。杉内にしろ和田にしろ、先発は左腕が予想され、ここで阪神打線を抑えるかどうかが、大きな流れを生む。
バッテリーの立場から短期決戦を眺めると、いかに相手打線を分断するかが勝敗の大きな分かれ目になる。昨年は西武和田、一昨年は近鉄礒部が狙われて、ともに日本一を逃している。今年は、阪神は赤星、ダイエーは城島が徹底マークされるのではないか。赤星のように足の速い選手は、やはりやっかいだ。同一リーグで戦っていないだけに、イメージが先行し、塁に出すと投手は落ち着きをなくしてしまいがちだ。結果、次打者に四球を与えたり、簡単に進塁打や安打を許したりしてしまう。両チームともリーグで唯一、100盗塁以上マークしている。ただ阪神は総盗塁数(115)の半分以上を赤星1人(61)で稼いだ。赤星が塁に出れば打線にリズムが生まれる。ここだろう。
ダイエーは100打点以上が4人と、阪神以上に切れ目のない打線が特長だ。右、左とジグザグに打線を組むこともでき、スキは少ないように思える。しかしデータから意外な「弱点」があった。ポイントゲッターでもあり、つなぎの要でもある5番城島が、左投手を極端に苦手にしている。年間34本塁打した右の強打者が、左投手から1本も打てず、打率も2割2分3厘しかない。ここまで数字に表れるには、何か理由がある。もちろん、阪神は気付いているだろう。問題は、数字を信じて思い切って攻めていけるかどうかだ。もし怖がって塁に出すようだと、左打者ながら左投手に強いバルデスにやられる恐れがある。
総合的にみて、戦力、戦法、さい配と非常に似たもの同士の対決だ。ペナントレースで投打に活躍し、ともにMVP候補の矢野、城島といった捕手対決も楽しみだ。見どころの多いシリーズになるだろう。(日刊スポーツ評論家)
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