1点が物語るシリーズの難しさ
 |
| 初登板のウィリアムスは好リリーフを見せた |
日本シリーズの1点は公式戦とは違う重みがある。独特の雰囲気、短期決戦の重圧の中で守るのも奪うのも難しい。それは3試合がサヨナラゲームになったことが物語っている。
◆第1戦 1点リードされた阪神が4回表に2点を奪えば、その裏にダイエーが2点奪い返した。6回も1点ずつ。阪神井川、ダイエー斉藤の両エースでも1点を守り切れない。
◆第3戦 4回に1−1になってから試合がこう着。
◆第4戦 7回表、1点差に迫られて登板した阪神安藤が押し出し四球。8回に勝ち越されるなど、3四球の乱調。その裏、ダイエー新垣は先頭金本を歩かせ、アリアスの左前打であっさり同点に。
どの投手も同点だったり2、3点リードの場面なら公式戦と同じ力を発揮している。しかし、いざ1点を守るとなるとそうはいかない。それまで内角を思い切って攻めていた制球が中途半端になったり、腕が振り切れなくなる。この試合、絶対的セットアッパー安藤がボールを置きにいくような130キロ台後半の直球で押し出し四球を与えたように、日本シリーズの重圧は計り知れない。
阪神が井川先発試合で苦戦したように、両軍の実力は接近し、今後ももつれる展開になる。特に1点をめぐる攻防になれば後攻のチームが有利だけに、第6戦から福岡ドームで戦うには、阪神は絶対に1点を守り切らなければならない。
幸い初登板のウィリアムスが通用することが分かったのは大きい。この試合、絶体絶命の9回1死一、三塁の場面で持ち味を発揮できる精神面の強さがある。逆に最後は本拠地で戦えるダイエーだが、1点を守り切るには抑えの篠原、新垣とも結果が残せていない不安がある。
この試合も好投した吉野に加え、ウィリアムスの投球を見る限り、1点を守り切れる手応えをつかんだ阪神が優位になった。(日刊スポーツ評論家)
|