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2003 日本シリーズ
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落合博満の読み

ダイエーにシーズン通りの野球戻った


1回裏ダイエー1死一塁、井口は先制2点本塁打を放ちガッツポーズ(撮影・西尾就之)

 王手をかけられたチームの戦いではなかった。福岡に戻ってダイエーの野球が変わった。自分たちの野球で勝負を第7戦に持ち込んだ。「このシリーズは地元に有利」と何度も書いてきたが、敵地甲子園ではできなかったシーズン通りの野球をやって、勝負を五分に戻した。

 王監督のかたくなな性格が表れた「これでもか、これでもか」の盗塁。4度走らせ、うち3つを成功させた。そこに長打が絡む。1回1死後、川崎がバント安打で出塁。続く井口が144キロの真っすぐを右翼席に運んだ。足を警戒した阪神バッテリーは真っすぐ中心の組み立てになる。それを読んだ1発だった。

 先発の杉内は、あとがない戦いに「いけるとこまでいこう」のマウンドだったと思う。その初回に、井口が実にいい援護をした。その後も中押し、ダメ押しと効果的に得点を加え、阪神に反撃のスキを与えなかった。

 第7戦は阪神ムーア、ダイエー和田の対決となる。このシリーズ、地の利とともに両チームに「左投手アレルギー」が起きているのも特徴的だ。阪神が勝つためには、どれだけムーアが踏ん張るか。ダイエーが勝つためには、ムーアだけでなく吉野、ウィリアムス、井川と総力戦でくるだろう左投手をどう打つかだ。もちろん、和田の踏ん張りも要求される。

 総力戦。我慢比べになるかも知れない。これまで言い尽くされたことだが、ムダな四球、ちょっとしたミスが取り返しのつかないことになりかねない。1点が命取り。両チーム「何点とるか、何点で抑えるか」などといってはいられない。気持ちの上ではそれこそ「1−0で勝つつもり」でないと、負けてしまう。(日刊スポーツ評論家)

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