「シーズン通り」貫いた王監督
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| 阪神を破り4勝3敗で4年ぶりの日本一に輝き選手の手で胴上げされる王監督(撮影・宮崎幸一) |
ダイエーは日本シリーズ用の野球ではなく、シーズン通りの野球を全うした。それが4勝3敗の結果として表れた。
どうしても負けられない第7戦の、それも初回に、王監督自らが「シーズン通り」をやってのけた。無死一塁。確実に先取点を取るには送りバントしかない場面で、強攻を命じた。川崎はバントのそぶりさえ見せず、四球を選んだ。カウント2−3からは三振併殺を恐れず、走者村松を走らせてもいた。
「うちの野球はこれなんだ」。王監督の頑固とさえいえる指揮官ぶりが、ナインにシーズンの野球をやらせたと解釈したい。初回の場面に話を戻すと、2点を奪ってなお1死二塁。ここで城島、バルデスは連続三振で倒れた。しかし、このままで終わらない。3回、井口2ランのあと、城島もアーチをかけた。6回には2打席連続だ。好機に凡打しても「次に打てばいいだろう」。これがシーズンのダイエー野球だった。
阪神は逆にシーズンの野球ができなかったということだ。初回、ダイエーと同じように先頭今岡が出塁。無死一、二塁としながら併殺でつぶした。つなぎの野球でシーズンを制したチームが、それをやらせてもらえなかった。第1戦で赤星が左ヒジを痛め、満足にバットを振れなかったことも影響したと思う。つながらないとなると、1人で1点が取れる大砲が欲しい。金本が連発して甲子園での3連勝に貢献したが、トータルすれば、長打力はダイエーが上。第7戦もその差がはっきりと出た。
シリーズ前、地元がチームに有利な戦いと書いたが、すべての試合がそうなるとは思わなかった。ダイエーから見れば、DHのない甲子園ではシーズン野球ができなかったが、最後には地元に戻れるということで、3連敗にも慌てなかったことが大きい。負けたとはいえ阪神も死力を尽くした。見ごたえある日本シリーズだったということを付け加えたい。(日刊スポーツ評論家)
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