レスナー最後の勝者/新日本
<新日本:東京大会>◇4日◇東京ドーム◇4万3000人
最後の東京ドーム大会で新日本に一筋の光が差した。IWGPヘビー級王者ブロック・レスナー(28=米国)が、挑戦者中邑真輔(25)を8分48秒、バーディクトからの片エビ固めで一蹴し、防衛に成功。世界トップのパワーを持つ外国人エースが、迷走していた新日本を、新時代へとけん引する。IWGPタッグ戦は蝶野正洋(42)天山広吉(34)組が外敵の大森、越中組を退け、初防衛に成功した。観客数も3大会ぶりに4万人台に乗せて、17年に及んだ東京ドーム大会の幕を下ろした。
どん底の新日本を、神は見捨てなかった。救世主はレスナーだ。最後の東京ドーム大会で、直前来日の不安も、スピードのある相手との戦いも問題にせず、若手の星として期待を背負う中邑を圧倒した。新時代のエースをリングの戦いで高らかに宣言した。
一方的な展開だった。力任せに突き飛ばす。コーナーに押し込み、腹に肩を突き刺す。関節技をきめられても、怪力で体を持ち上げてマットにたたきつけた。中邑のメキシコ仕込みのトペ・スイシーダを浴びたが、ダメージは相手の方が大きかった。何もかも規格外。必殺技のバーディクトも完ぺきに決め、4戦連続10分以内で決着させた。
過去に外国人王者は4人いたが、在位期間はノートンの3カ月半が最長。いずれも短期間でベルトを明け渡した。しかし、レスナーは別格。この勝利でノンタイトル戦を含めて新日本のトップ選手5人に圧勝。その牙城は当分揺るぎそうもない。「ナカムラは賢くて優秀だ。体を大きくすればもっと強くなる」。勝利のコメントに強者の余裕が漂っていた。
サイモン猪木社長からエースに指名された。団体の窮状は理解している。自分が絶対的な存在になることで、新日本を復活させる決意だ。「会社のことはサイモンがやればいい。オレはベルトと寝起きして、練習し、笑顔も練習して、王者であり続ければいい」。あくまでプロの仕事で期待に応える。
「今日は時差ぼけもあったけど、リングに入ったら目が覚めたよ」。華やかな実績と規格外のパワー、そして天性の闘争本能を秘める。エースに必要なすべてを持っている男。東京ドームに幕を下ろした新日本は、レスナー伝説とともに新たな時代に突入する。【来田岳彦】
[2006/1/5/09:10 紙面から]
写真=中邑を担ぎ上げ、雄たけびを上げるレスナー
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