吉江が新日本退団、フリーに
新日本に激震が走った。IWGPタッグ王座を獲得した経験がある中堅の人気選手・吉江豊(32)が19日、契約交渉の席で退団の意向を伝え、了承された。今後はフリーとしてプロレスの幅を広げる。新日本のリングに上がることも示唆しており、曙とのタッグで次期シリーズ中にも予定されるIWGPタッグ王座挑戦の可能性は残った。この日は若手の長尾浩志(26)も退団表明。経営立て直しの経費節減の中、恐れていた人材流出が現実になった。
いつもの陽気な吉江ではなかった。「新日本に退団を申し入れました。フリーになって自分の幅を広げてみたい」。深刻な表情から出たのは驚きの退団宣言だった。11日の第1回交渉後は悩んだ末に保留した。その後、美奈夫人に「新しいことをやれるんだったらやってみたら」と背中を押された。5日に32歳になった。動くならこのタイミングしかない。「新日本との隔たりはない。今後はフリーとして上がらせていただきたい」。けんか別れではなく、自分のわがままを聞いてもらったと強調した。
曙との巨漢コンビでのIWGPタッグ王座挑戦も、あきらめたわけではない。「可能性がゼロになったわけじゃない。新日本から要請があれば挑戦したい」。契約期間内の1月29日の後楽園大会にも出場する。一方で団体最重量の160キロの巨体を生かした吉江のキャラクターは他団体にも魅力。「いいところ、悪いところ、すべて見てみたい」と、本人も他団体出場に前向きだった。
団体の経営難から選手の人件費が大きく削られ、今回の契約交渉では半数以上の選手が1度は保留した。だが、永田らのベテラン、新世代のエース中邑がサイン。18日にはジュニアの中心選手の獣神サンダー・ライガーらも契約を更改した。一致団結しての立て直しに進むかと見られた矢先の退団劇。若手の長尾と安沢の退団も決まった。団体の将来を担う選手たちの流出は、再生を目指す新日本に大きな影を落としそうだ。【来田岳彦】
[2006/1/20/09:41 紙面から]
写真=新日本退団後のあいさつ回り中、自家用車内で取材に応えた吉江豊
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