亀田大毅23秒KOデビュー/ボクシング
<ボクシング:スーパーフライ級6回戦>◇26日◇パシフィコ横浜◇観衆2900人
衝撃、23秒殺!! 「浪速の弁慶」亀田大毅(17=協栄)が予告通りのKOデビューを飾った。開始10秒すぎの強烈な左フックでサマート・シットサイトン(20=タイ)の顔面を打ち抜き、1回23秒でキャンバスに沈めた。3兄弟の中で最も不器用な二男が、兄興毅のデビュー戦KO記録44秒を上回り、初の「兄超え」を果たした。次戦は4月17日に東京・後楽園ホールで韓国フライ級8位・李元煕と対戦。1年6試合ペースで戦い、20歳までにデビュー15戦連続KO勝ちを目指す。
「こぶし」を効かせた。2分30秒。スポットライトを浴びた大毅がスタンド式マイクを握る。場内に流れた曲は父史郎氏に教わったハウンドドッグの「Only Love」。若い女性ファンの「だいき〜」の黄色い声援を浴びて熱唱した。「デビュー戦やから一番自信のある曲にした。うまかったやろ?」。後援者の振る弁慶と刻まれた日の丸とのぼり18本をバックに独り舞台を満喫した。
「拳」を効かせた。23秒。ガードを固めて迫り、ジャブを警戒しながら好機を待った。クリンチを払いのけ、メキシコ製8オンスグローブで左フック、右ボディー、右フック。相手の右ストレートをかわした瞬間、左フック一撃でアゴを打ち抜いた。たった4発。サマートを倒した。兄興毅のデビューKOタイム44秒を大きく上回るプロ初陣。「感触? 忘れた。ガッバーンで、スッポーンと入った。打ち方はフックやけどオレはケンカのつもり。これで兄ちゃんを抜いた。約束守った」と無邪気に喜んだ。
兄弟でもっとも不器用な存在だった。1人だけわんぱく相撲や空手で優勝経験がない。ボクシングでもひざの使い方を覚えられず、常に史郎氏に怒られてきた。「兄弟で一番(ボクシングを)やめようとしたことが多い」と大毅。だが、プロデビューが決まった後は愛称の弁慶に近づくため、陰で努力した。誰にも言わず5キロずつの重りを足につけて走り、下半身強化した。「一番の問題児やった。いくら厳しいことをいうても、今日は100点満点や」。史郎氏も涙ぐんだ。「初めてほめられた」と大毅も照れ笑いした。
歌やKOだけではなく、予告通りに弁慶風のずきん、数珠、お守りを着け、ドライアイスの煙が漂う五条大橋の花道を歩いて入場。大毅は「弁慶は普通の花道を歩いたらあかん。亀田とKOと歌はセット」と宣言した。次戦は4月17日、兄が6戦目で登場した後楽園ホールで韓国ランカーと対戦する。年6試合、父には20歳までのデビュー15戦連続KO勝利の目標をもらった。「兄ちゃんの2倍のタイムで勝ち、聖地での試合も2倍の速さ。これでオレはスターだと分かった」。パンチとこぶしのきいたステージで、大毅が最高のスタートを切った。【藤中栄二】
[2006/2/27/09:43 紙面から]
写真=1回、23秒でサマートにKO勝ちした亀田大毅(撮影・樫山晃生)
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