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戦うフリーター所が初メーン

 フリーターがメーンイベンターに抜てきされた。HERO’Sは今日15日、東京・日本武道館で行われる。14日に試合順が決まり、“戦うフリーター”所英男(28=リバーサルジム)−池田祥規(極真会館)戦がメーンイベントに決まった。昨年大みそかのホイス・グレイシー戦での善戦と将来性が評価され、須藤元気、秋山成勲をさしおいて今大会の顔に指名された。勝てば5月の大会でミドル級世界王者山本“KID”徳郁への挑戦権も内定。所がアルバイト生活と風呂なしアパートから脱出し、一気にスター選手へ駆け上がるチャンスをものにする。

 家賃4万3000円、6畳風呂なしアパートの住人が、今大会の顔になった。空手家池田との試合がメーンイベントに抜てきされた所は「こんな豪華なメンバーの中で、最後の試合とは…。すごく不安があります」と複雑な表情を見せた。1年前には、誰も知らなかった男が、今年初のHERO’Sの最後を締める。

 昨年大みそかの健闘ぶりが大抜てきに結び付いた。グレイシー一族の顔ホイスと引き分けた。馬乗りになってパンチを連発するなど勝ちに等しい内容は大会のベストバウトとも評価された。曙―ボビー、山本―須藤に続く瞬間視聴率22・1%を獲得。秋山の相手だったアテネ五輪金メダリスト・イブラヒムの欠場もあり、大役がめぐってきた。大会を放送するTBS関係者は「激しい戦いで、プロ的な沸かせる試合をする」と抜てき理由を説明した。

 4年前、プロ格闘家に転身。食うために数々のアルバイトを経験した。交通整理、運輸会社の仕分け、工場での単純作業、現在も籍を置く清掃業…。貧乏生活を極めた。携帯電話が止められるのは日常茶飯事。水道も止められ、公園の水をペットボトルにくんだこともある。旺盛な食欲は、ケチャップ掛けご飯で満たした。昨年7月のフランカ・ノゲイラ戦の金星を転機に、わずか半年余りで、メーンを務めるまでに上り詰めた。

 試合内容次第では5月のHERO’Sでミドル級世界王者山本への挑戦権が与えられる。すでにファイトマネーは参戦からわずか半年で10倍以上になった。山本戦ともなれば、金額も跳ね上がり、新たなスポンサーが付く可能性もある。貧しい生活から脱出するためにも負けるわけにはいかない。「自分には失うものは何もない。挑戦者ですから」。KID、元気に続くHERO’Sの顔になれるか。初のメーンで真価が問われる。【田口潤】

[2006/3/15/10:14 紙面から]


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