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2004/02/24
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オスカーの行方は、ますます分からない
アカデミー賞発表を目前に控え、ハリウッドは例年以上の盛り上がりを見せています。さあ、今年はいったい誰がオスカー像を手にするのでしょうか?
私も先週、日刊スポーツ紙面上で予想をしたばかりですが、今年のオスカーは例年にないほどデッドヒートを繰り広げており、映画ファンには本当に楽しみな展開となっています。
アカデミー賞前哨戦と呼ばれる各映画賞の締めくくりとなる、アメリカ映画俳優組合(SAG)賞が22日(日本時間23日)発表され、後は日本時間3月1日に発表されるアカデミー賞の結果を待つばかりとなりました。
しかし、今年はアカデミー賞直前に発表された賞で大どんでん返しが起きており、オスカーの行方がますます分からなくなっています。今週はオスカー直前の最新情報をお伝えしたいと思います。
まずは渡辺謙がノミネートされていて、もっとも注目される助演男優賞部門で、これまであまり注目されていなかったジャイモン・フンスー(「イン・アメリカ 三つの小さな願いごと」)が、21日に発表されたゴールデン・サテライト賞を受賞する番狂わせが起きています。この部門には渡辺もノミネートされており、最大のライバル、ティム・ロビンス(「ミスティック・リバー」)が選考から漏れていただけに、渡辺への受賞の期待は大きかったのですが…。
この直前でのフンスーの受賞で、本番でも大穴が出る可能性も出てきました。本紙予想どおり、ロビンスが受賞するのか?渡辺に女神が微笑むのか?はたまた、どんでん返しが起きるのか?大混戦の様相となっています。
そして、最もデッドヒートを繰り広げているのが主演男優賞部門です。下馬評では、ショーン・ペン(「ミスティック・リバー」)とビル・マーレイ(「ロスト・イン・トランスレーション」)の一騎打ちと言われていましたが、ここでも直前になって番狂わせが起きています。ジョニ―・デップ(「パイレーツ・オブ・カリビアン」)が、本命視されていたペンやマーレイを抑えてSAG賞に輝いたのです。これまでも批評家からの評価は高かったデップですが、これまで1度も主要映画賞を受賞したことはありません。どちらかというと単館上映系の作品を中心に活躍していたデップの大作出演は、業界関係者に大きな驚きを与えましたが、その作品でSAG賞を受賞したことは、大番狂わせと言うしかないでしょう。
しかし、この受賞で同部門のオスカー争いの様相がガラリと変わったのも事実。直前でのデップの快進撃は、オスカーにどう影響するのか必見です。
主演女優賞は、本紙予想どおりシャーリーズ・セロンが一歩リードでしょう。実在したアルコール中毒の連続殺人鬼を演じたセロンは、ゴールデン・グローブ賞に続き、SAG賞も受賞。オスカーへの弾みをつけました。そして、助演女優賞部門も大方の予想どおり、レニー・ゼルウィガ―(「コールド・マウンテン」)がSAG賞に輝いており、昨年の雪辱を晴らせそうです。監督賞もアメリカ監督組合賞を受賞したピーター・ジャクソンが、「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズ最終章で晴れて受賞するとの見方が強く、他の候補を一歩リードしています。
昨年に続き良作が出揃った作品賞も、混戦が予想されています。「ロード・オブ・ザ・リング 王の帰還」を推す声も多いですが、ドラマ性の強い作品を好む傾向があるアカデミー賞で「ミスティック・リバー」や「シービスケット」を抑えて受賞できるか。また、コメディ作品でありながら評価の高い「ロスト・イン・トランスレーション」も穴でしょう。
アカデミー賞の最終投票の締め切りは24日(日本時間25日)です。そのため、直前に賞を受賞したデップとフンスーは、アカデミー賞会員に大きな印象を与えたことは間違いないでしょう。特にSAG賞はアカデミー賞を占う上でもっとも注目される賞の一つです。というのも、アカデミー賞を投票する会員の多くは、SAGのメンバーでもある俳優が多いからです。今年のアカデミー賞は、5803人の会員の投票で決まりますが、そのうちSAGのメンバーでもある俳優は1298人で、全体のおよそ22%を占めています。彼らの票がオスカーの行方を決める上で大きな影響力を持っているのです。
オスカーには番狂わせがつきもの。今年も何が起こるか分かりません。オスカー像の行方をじっくりと見守りたいと思います。
(このコラムの更新は毎週火曜日です)
【千歳香奈子】