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映画評

    2005/03/19 バックナンバーへ

宝探しロールプレイング

「ナショナル・トレジャー」(米)

 文化人類学的見地から人間を3タイプに分ける。(1)「ドラクエ」は攻略本に頼る人(2)「ドラクエ」を独力でクリアする人(3)そもそも「ドラクエ」で遊んだことがない人。

 ん億ドル相当の宝を探し求めるディズニー印の謎解きロマンは、実にロールプレイングな映画だ。手がかかりが手がかりを呼び、その手がかりがまた手がかりを呼び、その手がかりがまた…。「いつになったら宝に行き着くんじゃい」と突っ込んだり「大味すぎるぞ」と立ち止まって憤るのは大人げない。

 ニコラス・ケイジふんする主人公が、歴史うんちくと憎めないキャラを武器に順々に謎を解いていく。地道に経験値を稼ぐ必要もない。そう、ニコラスが「ドラクエ」の攻略本役なのだ。タイプ(1)プレーヤー(せっかちな筆者を含む)にはド真ん中の絶好球なのだ。

 「レイダース」「グーニーズ」「ロマンシングストーン」「ハムナプトラ」「トゥームレイダー」。名作迷作混合のドラクエ系ムービーは麻薬だ。伏線が粗いことが多いし、静かなる感銘も少ない。でも、少年の世界観がある。勇者になりきり、じゅ文や小道具やダンジョンでトリップさせてくれる。その精神作法を正統に受け継ぐ本作。攻略本に頼りたくないタイプ(2)プレーヤーでもニコニコだろう。

 そしてどん欲なサービス精神。フリーメーソンの謎はベストセラー「ダ・ヴィンチ・コード」を意識しているに違いなく、本好きのツボを刺激する。「トロイ」の浮気おバカ姫役ダイアン・クルーガーが、聡明(そうめい)教授を演じるサプライズは金髪好きにはたまりまへん。犯罪もの好き、アクション好きにもヤマ場がいっぱい。ディズニーランドの全アトラクションを行列なしで食事も取らずに乗りまくるようなもの。ほら、タイプ(3)の人もプレーしたくなったでしょ。

(このコラムの更新は毎週土曜日です)

【高田博之】
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