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映画評

    2005/06/11 バックナンバーへ

全編シリアスも相当“楽しめる”

「フォーガットン」(米)

 キャッチコピーは「最も衝撃的なスリラー」。ハイ、おっしゃる通りです。いろんな意味で衝撃的な“ぶっ飛び”映画です!! 飛ぶわ、飛ぶわ、人も飛ぶし、ストーリーもトンじゃってます。前半は、突然死んだ息子の存在そのものがなかったことになってしまうというミステリーを、緊張感たっぷりに描いていきます。風向きが変わるのは中盤。とにかく飛ぶんです! ネタバレしたくないのでこれで、カンベンしてください。

 全編シリアスタッチなんですが、1粒で2度(おいしいかどうかはご判断を)的に、ガラリと変わります。あの名作(?)、ロバート・ロドリゲス監督×クエンティン・タランティーノ脚本の「フロム・ダスク・ティル・ドーン」(96年)ばりの変ぼう。ただ「フロム−」は、ばかばかしいことを分かった上で楽しんで作ってるという感じでしたが、こっちはどこまでもシリアスにいこうとしているのが、ちょっとイタイかも。

 役者は1粒でかなりおいしいです。オスカー候補常連のジュリアン・ムーアが息子を思う母親。夫を演じるのはドラマ「ER 緊急救命室」のグリーン先生ことアンソニー・エドワーズ。出てくるだけで一筋縄じゃいかないぞと期待させるゲイリー・シニーズは心理カウンセラー。消えた娘を持つ父親は「モナリザ・スマイル」(04年)でジュリア・ロバーツをとりこにしたドミニク・ウェストです。演技派がそろっちゃってるんです。

 衝撃にのけぞるか、笑うか、怒るか、それとも役者に一点集中か…。もしかしたら相当“楽しめる”映画かも。見た人と存分に、ネタバレトークしたい映画だったりして。

(このコラムの更新は毎週土曜日です)

【小林千穂】
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