速報記事一覧へ スコア速報一覧へ スポーツカレンダーへ

nikkansports.com・ホームへ

共通ナビゲーションを飛ばす。ページメニューへ MLB | PDF号外 | プレゼント | 占い | 映像 | 新聞購読
0
googleの検索機能
nikkansports.com・ホームへ
ページメニューを飛ばす。コンテンツへ
TV全国番組表

click here!
芸能TOP
シネマ
占い
インタビュー
イベント/チケット
黛まどか
TV全国番組表
メーンメニュー
・ 野球 ・ サッカー
・ スポーツ ・ バトル
・ 競馬 ・ 芸能
・ 社会 ・ 釣り
ページトップへ
芸能タイトル

  インタビュー<日曜のヒロイン>
日刊スポーツ(東京本社発行分)のバックナンバーを
希望される方は→こちらをご覧ください
第380回    香山リカ  
2003.09.21付紙面より

香山リカ
写真= 「趣味はプロレスにテレビゲーム、マンガ」。とても精神科医とは思えない香山さん。1人の「女」として恋愛観を話す、純粋な目にひかれてシャッターを押した。同じ80年代に青春時代を迎えた人間にとって、楽しい時間だった。懐かしさを胸に家に帰った途端、子供の顔を見て現実に戻った
(撮影・中村誠慈)

捨てるものリストを作りなさい それが大切なもの見つける近道

 結婚したがらない女性の増加、急激に進む晩婚化現象−。「恋愛(結婚)異変」は確実に進む。男らしさ、女らしさの考え方も曖昧(あいまい)になり、結婚に求めるものも、男女で大きく違ってきているのではないだろうか? そこで、精神科医で現代若者の心理についての著作も多い香山リカさん(43)に登場願った。「男と女の間には深くて暗い河がある」。古い歌謡曲の一節だが、果たして今、その河は、どう流れようとしているのだろうか。


男女にズレ

 生き方(あるいは生活の仕方)の選択肢が増えたせいもあるのだろうが、30代、40代で結婚しない男性、女性が増えてきている。しかし、一方で、本当は結婚はしたいのに、うまく恋愛が進まない男女も増えているのではないでしょうか?

 香山 それはあるかもしれません。1つには、その世代の男女の考え方が、ちょっとズレてきているような気もします。

 −−具体的には

 香山 男の人は、今でも結婚について「身を固める」とか「そろそろ落ち着きたい」とか、そういう言い方をしていませんか。それに対して女の人は、結婚しても今までの仕事は続けたい。できたら、さらに頑張って向上したい。その中で、理解し合い価値観を共有できる人を求めている。だから、なかなかうまく巡り合えない。

 −−なるほど、ズレている。昔はこうじゃなかったですよね

 香山 女性の社会進出が急激に進んできたという背景は大きいでしょう。そういう意味で、現代は過渡期なのかもしれません。で、男の人は、まだまだ、そのことをうまく受け入れられていない。女性から言わせると遅れてる。「ちょっとボンヤリしていない?」みたいな気もする。例えば、一流といわれる企業に勤めているんだから、それでいいだろうぐらいに、あぐらをかいている男性は今でも多いんじゃないでしょうか。

 −−そういえば、「きみはペット」という漫画がヒットし、テレビドラマにもなりました。これは、家でペットになっているのは男性。「いい子にしていたら家に置いてあげる」とバリバリのキャリアガールに言われる。今までの男女関係が逆転しているような話でした。癒し系の男が家に居て、働いて疲れて帰ってくるのは女性という設定ですよね

 香山 そう。その前には「ソファ男」という言葉も流行しましたね。家庭で、男性は、ソファの代わりであってくれればいい。もっと女性をくつろがして欲しい。面倒なことを言うなんてとんでもないと。

 −−「お茶」「風呂」だなんて男は言えないわけですよね。甲斐(かい)性というと、昔は男性のための形容詞のようでしたが、今は女性のための言葉?

 香山 まぁ、そこまでは大げさかもしれませんけど、「きみはペット」は、時代の空気を確実に読んでいた。だから話題にもなりヒットしたんでしょう。今、そのくらい男女の関係も変わってきていると思います。


職場でも…

 女性の急激な社会進出のことで言えば、職場でも、女性社員との接し方に、今まで以上に男性社員が気を使うケースが増えてきている。それ自体は悪いことではないのだが、何かといえば「それ、セクハラじゃないですか」と言われそうで、本音も言い出しにくい時代?

 香山 そうですか(笑い)。よく聞く例ですが、仕事が終わって、本人(女性)は、例えば「英会話の学校」に行って、少しでも仕事に役立てようと思っている。で、「失礼します」と会社の上司にあいさつする。すると、上司の方は「何々ちゃん、今夜はデート? そういえば、ここんとこ、会社を出るの早いもんな。まぁ頑張って」とか声を掛けたりすると言うんですね。

 もう、それで、すごくがっかりするというか、嫌悪感を覚えたりする。同じ女性として、それはよく分かる。仕事に対するモチベーションも下がる。

 −−でも、男性の方は、何げに言ってるわけですよね

 香山 そう。そうかもしれません。中にはサービスコメントぐらいに思ったりして。

 −−それなのに、急にムッとされて、「おー、怖い」ですよ

 香山 あのぅ、さすがに今の時代、「オッパイ大きいね」(笑い)とか、バカなことを職場で言う男性は少なくなったと思うんです。でも、その段階は超えても、まだまだ、女性社員に声を掛ける時、話題が男女関係の話に矮(わい)小化されているような傾向はありませんか? それはまだ変わっていない。仕事の話で、きちっとしたコミュニケーションを取ろうとしている男性が少ないんじゃないでしょうか。


あきらめる

 香山さんはプロレスファンという。週の半分は関西の大学で教壇に立ち、そのほかは上京して実際に患者と対面する。さらに週末は講演と、プライベートの時間はほとんどとれないが、それでもやり繰りしてプロレスを見に行く。

 香山 きっかけは、3歳の時、羽田空港でジャイアント馬場さんにぶつかってしまったんですが、優しく抱き上げられたことがあって。それ以来(笑い)。で、今はプロレスの日常と非日常というか、そのギリギリ感がたまらないんです。

 黒縁のメガネの奥の瞳が途端に優しくなる。彼女にとってプロレスは癒やしのひとときなのかもしれない。実は、この黒縁のメガネも、インタビューが始まると使用する。精神科医として臨床を実際に続ける立場が、そうさせている。人一倍の気苦労があることは容易に推察された。

 質問を戻す。

 −−女性の社会進出。そこからくる男女のズレ。確かにぼんやりしている男性はいたとしても、女性の方は何ら問題はないのだろうか。例えば、「肩ひじ張り過ぎ」「頑張ろう、頑張ろう」とし過ぎてはいないだろうか

 香山 そうかもしれません。まだまだ男性中心の社会が強く残る中で、緊張して頑張らなくちゃって、どうしてもなるんだと思うんです。

 −−それが過ぎると、心のひずみにもなる

 香山 本当にそうです。カウンセリングをすると、「なんとか向上したい」あるいは「このままでいいんだろうか」みたいな停滞恐怖症に陥っている女性。病気になりそうなほど苦しんでいる例もたくさん見掛けます。

 −−お金も稼ぐ。ブランドのバッグも持っている。中には男性が振り返るほど美人で、自信に満ちているようにも見えるのですが

 香山 そういう人でもです。みんな共通して「物じゃないんです。心の充実が欲しいんです」って言ってきます。人間関係で満たされたいと強く渇望している。

 −−そういう女性が、ホストクラブに通ったりして。だからホストクラブは今や大繁盛ですね

 香山 良くご存じで(笑い)。そういうところで「君って強そうに見えるけど、本当は寂しがり屋だろ」みたいなことを言われたりすると、笑いごとじゃなくコロっとしたりしてしまう。

 −−どうしたらいいと…

 香山 よく私は言うんですけど、欲しいもののリストばかりでなく、捨てるもののリストも作りなさいって。あきらめると言うとマイナスに聞こえますけど、女性もいろいろなものが手には入りやすくなった分、欲しい欲しいと言うだけでなく、捨てる勇気、あきらめる勇気も必要です。何もかもというのではなく、無理せず自分のスタンスを守る。そういう女性が、上手に社会の中に進出できる。本当に大切なものを見つける近道にもなる。ある意味、強い女性だとも思います。


 同性の立場を思い、1つ1つの質問に真剣に答えを探していく香山さん。

 「ブラックジャック(手塚治虫の漫画の主人公)のように高邁(こうまい)な理想から医学部の門をくぐったわけではないんですよ」と言いながらも、精神医学との出会いが、医師として大きく目覚めさせた。実は、彼女自身こそ、取捨選択の中、進むべき道をチョイスし、社会で強く生きてみせる女性−。


物静かで気さくで面倒見とてもいい

 友人の歌人・林あまりさん(40) 2人とも大のプロレス好きで、プロレスを見にいった時、共通の知人に紹介されたのが知り合うきっかけでした。それと、芝居も2人とも興味があり誘っていただいたりして、よく見に行ったりしています。お酒も飲みますが、どちらかと言えば香山さんは物静かな方です。プロレスを見ている時も騒いだりはしないですね。余計なことは言わない、それでいて気さくで非常に気配りがきく、面倒見もとてもいい方ですよ。ほめるばっかりになっちゃいましたけど、そんなすばらしい方です。


 ◆「きみはペット」◆ 女性漫画誌「Kiss」(隔週誌)に00年より連載中の小川弥生の人気漫画。主人公の女性新聞記者と、ペットのような男性パートナーの生活が描かれている。今年、TBSで連続ドラマになり主人公を小雪が演じた。


 ◆香山(かやま)リカ 1960年(昭和35年)7月1日、札幌市生まれ。東京医科大卒。神戸芸術工科大視覚情報デザイン科助教授。学生時代から雑誌などに寄稿。その当時、編集者が付けた「リカ」をペンネームに。新聞、雑誌、テレビで社会批評、文化批評、書評など幅広く手掛け、現代人の若者の心理についての著書が多い。著書は「ぷちナショナリズム症候群」「若者の法則」「サヨナラ、あきらめない症候群」「本当はこわいフツウの人たち」「結婚幻想」「『こころの時代』解体新書」など50冊を超える。プロレス、テレビゲームについての造詣も深い。独身。


(取材・馬場龍彦)

前のページへ戻る このページの先頭へ
ニッカン倶楽部広告ガイド会社案内このサイトについて問い合わせ
  nikkansports.comに掲載の記事・写真・カット等の転載を禁じます。
  すべての著作権は日刊スポーツ新聞社に帰属します。
  
野球ページへ サッカーページへ スポーツページへ バトルページへ 競馬ページへ 芸能ページへ 社会ページへ 釣りページへ