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2004.01.25付紙面より
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| 写真=悩殺CMに、キューティーハニー…。読者の、そして自分のために、究極のセクシーポーズ写真を撮影しようと、前日から頭の中は「サトエリ」だらけ。無数のポーズをインプットし、いざ現場へ。するとマネージャーから「そういうポーズは一切出来ません」と一言。「・・・・・・・・・・・・・・・・・(沈黙約1分」。読者の皆様ごめんなさい。至って普通の写真になってしまいました。でも、他の注文には笑顔で応えてくれたし、何より礼儀正しくておとなしいのにはビックリ。セクシーなサトエリは「キューティーハニー」で見ることにしましょう
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| (撮影・栗山尚久) |
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まるで猫…サトエリが胸の内も見せてます
日本人離れしたプロポーション。グラビアからスタートし、テレビ、映画、舞台、CMと活躍の場を広げているサトエリこと佐藤江梨子(22)。見た目の派手さとは裏腹に、内面ではいろんな思いが交錯し、葛藤(かっとう)しながら生きている。常に不安定さが付きまとう。表情も刻一刻と変化する。まるで「猫」のような女性だった。
中2で突然変異
「おはようございます!」。覇気のある声だった。冬晴れの朝、眠気が吹き飛ぶような超ミニスカート姿でやってきた。173センチにして股下(またした)86センチ。ということは…残りが87センチで、ほぼ半々。理屈では分かっていたが、さらにハイヒールを履いた立ち姿には度肝を抜かれた。普通の女性のへそがある位置から、左右にスラリと足が伸びているような感じだった。
昨年、歌手Gacktと共演したエステのCMでは、手で胸を隠す悩殺ポーズで世間を驚かせた。B88−W58−H88センチ。女性なら誰もがうらやむ抜群のスタイルの出発点は中学2年生。体に異変が起こった。
「痛い、痛い、痛い!」。舞台での演技のように当時を再現してみせた。ある日、家の廊下にうずくまってしまったという。
「急に胸が張り裂けそうになって。肉が引きちぎられるような激痛でした。ぺったんこだった胸が成長しだしたんです。ブラジャーも不要だったのに」。
“牛乳効果”でもあった。
「小、中学校時代、1日1リットルは平気で飲んでました。姉は全く飲まなかったから、今でも小柄ですよ」。
栄養士だった母の影響でヘルシーな野菜中心の食生活がしみついている。密封タイプのビニール袋にカット野菜を入れて持ち歩いたこともあった。
「生野菜が大好きなんです。今も(舞台の)楽屋の冷蔵庫にキュウリとセロリが入っていて、おやつ代わりにつまんでます。胃が落ち着くんですよ」。
美ぼうを武器に、多ジャンルで違った顔を見せる。缶コーヒーのCMでは、米倉涼子(28)矢田亜希子(25)とともに男装でコミカルに踊る。松たか子(26)主演の舞台「おはつ」(27日まで、新橋演舞場)では、17歳の女郎役だ。人気漫画の実写映画「キューティーハニー」(5月公開)では主役に抜てきされた。露出たっぷりのハニーのほか、OL、バイクレーサーなど20以上のキャラクターを演じ、約30種類のコスチュームに変身する。
「衣装はどれも本格的です。俗っぽい、エロな感じです」。
嘘つけない文章
取材は1月16日。毎年「あの日」が近づくと、複雑な気持ちがこみ上げるという。95年1月17日の阪神・淡路大震災。震度7の激震が襲った神戸市東灘区の自宅マンションにいた。倒壊こそ免れたが、電気やガス、水道が止まった。
「当日の夕方、父が車の窓を開けてラジオの音量を最大にして走ったんです。『近所迷惑だ』と思ったんですけど、外で耳を傾ける人がたくさんいました」。
ラジオが唯一の頼れる情報源だった。亡くなった同級生も大勢いて、沈んでいた時期。あるFM局のDJが「僕も友人を亡くしたけど、思い出を大切にしてます」と、前向きなメッセージを送る姿に心を打たれた。「ラジオに携わりたい」と思い、芸能界を目指すきっかけになった。
「夢を持ってた子が亡くなって、何の将来設計もなく、のほほんとしていたた私が生き残って。『何でなの』とショックでした」。
小、中学校時代は、仙台、神戸、大阪、東京と父の仕事の関係で転校を繰り返した。教室では「一匹おおかみ」。いじめで不登校になった時期もあった。
「『私、浮いてますか?』と聞いたことがあって、当時の先生から『みんながいすに座ってるとしたら、おまえは天井を突っ切るくらい浮いてるぞ』と言われて。落ち込みました。小6の3学期は18日しか学校に行きませんでした」。
「気分転換に」と、神戸の街や姫路城などに連れて行ってくれた父。その優しさに、再び学校に通い始めた。そんな境遇から、人とは違う感性が生まれた。
「つい、ひねった目線で物事をとらえてしまいますね。世間の風当たりとか、敵を増やすとかをあまり考えずに。何と言われようと自分の目線は死ぬまで大事にしたいと思います」。
常にマイペース。取材前も、話を聞いたホテルの一室に備え付けのコーヒーをさっと自分で入れた。質問途中でも「鉛筆の持ち方、変ですね。私もそうなんですよ」と記者に突っ込む。対話するときは自然と人との距離を測るようになっている。発する言葉より書いた文章に気持ちが表れる。
「タレントをしていると、口では制御される部分が多々あるんです。格好悪いと思っても美化して格好いいと言ったり。でも文章だったら、自分はうそをつけないんです」。
ダメな人が好き
昨年9月に初の単行本「気遣い喫茶」(扶桑社)を発売した。書きためた詩やエッセーをまとめた。「私には夢がある。東京タワーになる事!!」とぶち上げ「胸を使って仕事をして、胸の中身は隠してる」と自虐的につづる。「久しぶりにドデカイうんちが出た」なんてことまで告白し、生々しい仕上がりだ。作家の柳美里が絶賛した。
「昔から書くことは好きですね。口に出すよりも気楽で、フラットな状態でいられるんです、駄作でも佳作でも書き続けようと思います」。
柔和な顔でほほ笑んでいたかと思うと、思い出したかのように真顔で切り出す。
「冷たい言い方なんですけど私、なるべく頭のいい人と仕事をしたいんです。『この人と仕事がしたい』と思えば、厳しくても甘やかされても頑張りますし、逆に『ダメだ』と思えば、自分からある程度打ち切っちゃいますね」。
本には、恋や愛をモチーフにした記述もある。現実の恋愛はどうなのか?
「全くモテませんよ。(背が高いから)隣に立たないでって言われたり」。
声のトーンが一瞬下がり、そこから急に目を見開いて自己分析を始めた。
「将来を預けられるか、才能があるのか、稼げるのか…。自分にとってのメリットばかり計算してしまうんですね。それで勝手に『今は付き合わないほうがいいだろう』となって。友達がすてきな彼を連れてきたら『くやしーい』と叫んだりするくせに」。
結婚にあこがれはある。
「だんだんハードルとか理想、プライドが高くなってきて。恋愛に関しては自分が見えてない気がします」。
理想のタイプははっきりと定まっていない。
「『一生、好きなことやってくれ』と放し飼いしてくれる人がいいですね。最近気づいたんですけど、ダメな人が好きなんだなと。普段、パンの耳とか野菜くずとか食べてるような(笑い)。ダメさをうまく出す人には弱いですね。そういう存在? いませんよ」。
「おはつ」で笑い上戸の深雪役を演じた。そこで心境に変化があったようだ。
「今年は深雪のように、笑いの絶えない年にできたらと思います。今までいろんなことを難しく考えすぎてたみたい。何でもシンプルに楽しみたいですね」。
再び人懐こい笑顔に戻っていた。
言葉の感性が面白い
佐藤主演の映画「キューティーハニー」の庵野秀明監督
「存在感がある」というのが第一印象。昨年7〜8月の撮影で一緒だったが、良くも悪くも波の大きな子だった。しかしハニー役にはぴったりで、アクションもほとんどスタントマンなしで本人が演じてくれた。1人でいるのが好きなのかと思えば、食事なんかのときには僕らの方へ寄ってきたりと、とらえどころのない感じだった。混とんとしていてもコアはしっかりしていて、彼女自身は壊れていない。頭が良くて、特に言葉の感性が面白いと思った。
◆映画「キューティーハニー」◆ 70年代にヒットした、永井豪原作の人気お色気コミックの映画化。普段は派遣社員として働く如月ハニーが、なぞの秘密結社パンサークローのたくらみを防ぐため、愛の戦士キューティーハニーに変身。無敵のパワーで戦闘員を倒していく。
◆佐藤江梨子(さとう・えりこ) 本名・佐藤栄利子。1981年(昭和56年)12月19日、東京都生まれ。98年ドラマ「美少女H」でデビュー。99年度「大磯ロングビーチイメージガール」「日テレジェニック」に選ばれ、グラビアで活躍し、バラエティー番組にも数多く出演する。03年「プレイガール」で映画初主演。現在フジテレビ「とくダネ!」の金曜レギュラー。主演映画「キューティーハニー」の「ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2004」(北海道・夕張市、2月19〜23日)オープニング登場が決定。趣味はダンスとゴルフ。特技は体が柔らかいこと。173センチ、血液型AB。
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