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  インタビュー<日曜日のヒロイン>
 過去のインタビューは、日刊スポーツ紙面(東京本社発行分)でもご覧になれます。
 ご希望の方は→紙面バックナンバー申し込み
 なお、WEB上では、紙面より1週間遅れでの公開となります。
第457回    杉本彩  
2005.03.27付紙面より

杉本彩
写真=圧倒的なエロスでした。撮影前はTシャツにジーンズ姿で意外と小柄に見えたのに、衣装を着替え撮影が進むにつれ自分の方がドンドン小さくなってしまい、もう少しで子宮に吸い込まれるような不安がよぎった。これはぼくの持つ女性観のコペルニクス的転回になりそうだ
(撮影・宮川勝也)

毒、いかが?

 小説も書けば、料理の腕前もダンスのうまさも芸能界ではトップクラスの女優杉本彩(36)。官能小説、SM映画主演でセクシーさや過激な発言がクローズアップされるが、多才な人でもある。「毒のある大人のエンターテインメントをやっていきたい」という夢を持ち、話題の人、ライブドア堀江貴文社長(32)にも「共感するところもある」とエールを送る。


女優で作家

 女優という肩書に「作家」が加わったのが99年のこと。小説新潮「性の小説特集」で官能小説「指」を発表した。きっかけは、女優冨士真奈美の勧めだった。

 「それまでCDの歌詞を書いていたんです。メッセージ性の強い内容で官能的。それで、冨士さんに『小説を書いてみたい』と相談したら、面倒見のいい方で、編集者を紹介してくれた。簡単に書けると思っていたんですが、いろいろなものがわいてこないと書けない。こんなに難しいものかと思い知らされました」。

 同年に2作目を発表したが、3作目までに4年かかった。2月には初の小説単行本「インモラル」を発売した。離婚した女優の性体験を描いた作品だ。

 「自分がモデルですかって聞かれるけれど、実体験って限界があるじゃないですか。妄想と願望を込めて書いています。昔から妄想癖みたいなものがあって、妄想で書いた方がかなり大胆になって、面白くなっていると思います。書くのは深夜から朝にかけてですね。題材が題材だから、昼には書けません」。

 セクシーアイドルで売り出し、学園祭クイーンとして人気があった。しかし当時は、テレビのバラエティー番組は苦手だった。ズバズバと過激発言を繰り出す現在からは考えられないが、何を話していいか困ったという。そんな悩みを解消するきっかけが、96年、日本テレビのバラエティー番組「ウッチャンナンチャンのウリナリ」の企画「芸能人社交ダンス部」メンバーになったことだった。

 「テレビに抵抗があって、うまく自己表現ができなかったんです。そこで何かやってください、と言われても、何もできず、話せない。心地悪さ、違和感だけが残っていましたね。でも、スタッフが情熱を持って番組づくりをする『ウリナリ』でバラエティーへの考え方が変わり、その中での自分の役割も分かってきた。世の中が私に何を求めているかもね」。


自分に正直

 以降、セクシー路線に加え、過激発言で「悪女」というキャラクターを前面に出した。初のヌード写真集の会見では「ヌードという衣装を着て、精神的な露出ができた」と語り、03年に結婚11年目のギタリストと離婚した直後の会見では「刺激的な人生に結婚は必要ない」と発言。離婚前の4年間は夫とはセックスレスだったことも明かした。

 「私にとって、結婚というシステムは無価値なもの。恋愛はするけれど、結婚はもうしません。最近、私の偽悪的な発言の中にあるメッセージや生き方に、10代の女の子が興味を持ってくれるのがうれしい。時代が変わってきたかな」。

 バラエティー番組で結婚前は「負け犬」代表格だった杉田かおると、「悪女」代表の杉本がトークバトルを繰り返した。

 「自分の演出の仕方も理解できるようになった。世間でいう、優しげな『良妻賢母』の女性のイメージに対し、悪女を演じているところがあります。自分を押し殺して、器用に生きる女性の価値観に対し、自由奔放で、自分に正直でいたい。悪魔的な魅力を持っている人に、ひきつけられることがあるじゃないですか」。

 以前からステージでは過激な衣装を着ていたが、今では普段の会見などでも、より一層露出したセクシーな衣装を積極的に着るようにしている。

 「楽しくやりたいんです。無駄な我慢はしたくない。もともと驚かせるのが好きだし、どんなコスチュームなのかを期待されているのが分かっているから、期待以上のもので、いい意味で裏切りたい。私なりのサービス精神です」。

 昨年は団鬼六原作の映画「花と蛇」に主演し、大胆なSMシーンで話題を呼んだ。一方で、ミュージカルや小劇場の舞台に立ったり、昨年はTBSの実写版「美少女戦士セーラームーン」に悪の女王役で出演した。

 「『セーラームーン』のときは私も驚きましたね。『花と蛇』に出た後だったので『私、R18指定(18歳未満入場禁止)のSM映画に出たんですけど、それでもいいんですか』と聞いたら、いいですって。人間離れした役が好きなので、悪の女王はやって楽しかったですね」。


堀江社長共感

 数々の過激な発言からこわもてのイメージもあるが、根は優しく、努力の女性だ。数匹の犬を飼っているが、すべて捨て犬だった。番組企画で始めた社交ダンスも各大会で入賞し、今はタンゴに取り組んでいる。芸能人がレシピなしに料理をつくる番組「愛のエプロン」では、未唯とともに特上エプロンの称号を持つ。

 「両親が働いていたので、中学のころから自分で料理をつくっていました。基本的に好きなものに関しては、レシピに頼らず、勘でつくります。感性を磨いていれば、瞬間、瞬間にしっかり対応できるものなんです。小説にしても、ダンスや料理にしても、何かものを生み出すということでは、私の中で同一線上にあるんです」。

 26日にヤクザの情婦役で出演した映画「極道の妻たち 情炎」が公開された。5月には前作以上に過激シーン満載の主演SM映画「花と蛇2 パリ静子」が公開される。

 「無理な体勢になるSMシーンは、まさにアクション映画でしたね。過酷な筋力トレーニングをしてから臨みましたが、精神的にも肉体的にもいっぱいいっぱいでした。よく過激な映画に出ますねって聞かれるけれど、一般社会の視線からすると、リスクと感じられることも、私にとってはリスクでもないし、楽しい作業なんです。これからも、これまでになかったものをやってみたい。きれい、華やかなものはつくりたくないので、対極の毒のある大人のためのエンターテインメントです」。

 現在、日本社会を騒がせている堀江社長についても、聞いてみたくなった。

 「お会いしたことはないけれど、封建的な日本社会に向かっていく姿には共感します。世代的にも近いですしね。今までの古い体質が残っている中で、打ち勝っていかなくてはいけない世代なのかなと思います」。

 杉本は「悪女」というキャラクターに身を包みながら、世の常識に立ち向かっていく。


 ◆杉本彩(すぎもと・あや)  本名同じ。1968年(昭和43年)7月19日、京都市生まれ。87年に東レ水着のキャンペーンガールで脚光を浴び、88年「Boys」で歌手デビュー。「オールナイトフジ」の司会、NHK「君の名は」、ミュージカル「アニー」に出演するなど、テレビ、映画、舞台で幅広く活躍する一方、作家、ダンス、化粧品のプロデュースなども手がける。168センチ。血液型AB。


(取材・林尚之)

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